中国人民銀行は、2016年12月7日、11月末の外貨準備高が691億ドル減の3兆516億ドル(約348兆円)と発表した。人民銀は、対ドルでの人民元急落を防ぐため、ドル売り・元買いの為替介入を実施。外貨準備で保有する米国債などが売却で減少。トランプ氏が米大統領宣に当選後、米国債の価格が下落し、米長期金利が上昇。外貨準備で保有する米国債の価値が目減りした。また、ドルの上昇で中国が外貨準備で保有する円建てやユーロ建て債券のドル換算での価値も目減りした。

中国の通貨当局は、元急落による国内の混乱を避けるため、海外との資本取引の管理を厳格化。500万ドルを超える海外送金や両替は、事前に当局が審査するなど、中国から流出する資金を少しでも抑える。