2017年度の中央銀行の政策金利推移一覧。中央銀行の方針や経済成長見通し、インフレ率への対応などまとめ。


中央銀行の政策金利推移 2017年

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
ECB - - 0 0                
英国 - 0.25 - - 0.25              
トルコ 9.25 - 9.25 9.25                
オーストラリア - 1.5 1.5 1.5 1.5              
韓国 1.25 1.25 - 1.25                
フィリピン - 3 3 - 3              
インドネシア 4.75 4.75 4.75 4.75 4.75              
ニュージーランド - 1.75 1.75 -                
マレーシア 3 - 3 -                
インド - 6.25 - 6.25                
ブラジル 13 12.25 - 11.25                
タイ - 1.5 1.5 -                
ロシア - - 9.75 9.25                


中央銀行別の主なポイント

【欧州中央銀行(ECB)】
2017年4月27日、金融政策の現状維持を決めた。主な政策金利も据え置いた。ドラギ総裁は「景気回復はよりしっかりしており、下振れリスクは後退している」とした。一方、3月時点でユーロ圏の物価は2%上昇し、政策目標の「2%未満で、その近辺」に抵触したが、エネルギー価格上昇に伴うもので、一時的と判断。「物価に対する見方を変えるような材料は十分に得られていない」とした。

また、3月時点では各地の選挙を念頭に「リスクイベントがある」。「金利を下げるという選択肢は排除した」との表現で、今後は緩和縮小に向かうとのニュアンスをにじませた。
 

【英国】
2017年5月11日、政策金利を0.25%に据え置いた。量的緩和策による英国債の保有残高を4350億ポンド(約64兆円)で据え置くことも決めた。今後の利上げは、政府がEUとの新たな貿易協定締結や移行期間の設置で合意するなど、EU離脱交渉が円滑に進むことが条件となるとした。

■2017年2月2日、量的緩和策による新規国債購入を打ち切り、現状の試算規模を維持することを決めた。
 

【トルコ】
2017年4月26日、主要な政策金利である翌日物貸出金利を9.25%に据え置いた。一方、事実上の上限金利として使用する「後期流動性貸出金利」を11.75%から12.25%に引き上げた。インフレ見通しが大幅に改善するまで、引き締めスタンスを継続する方針。

■2017年1月24日、政策金利を8.5%から9.25%に引き上げた。トルコ中銀は「インフレ見通しの悪化を抑えるため、金融引き締めの強化を決めた」「必要ならば一段の引き締めを実施する」とした。

トルコには、米大統領選でのトランプ氏の勝利から進むドル高リラ安の進行と原油価格の上昇による物価上昇への懸念がある。通貨リラは2016年7月のクーデター未遂事件直後に発令した非常事態宣言を90日間延長したことや大統領権限の強化、イラクでの戦闘激化などへの懸念などから下落している。トルコ中銀のチュティカヤ総裁は2016年12月6日、通貨リラの急速な下落について「あらゆる手段を用いてリラの価値を守る」とした。今後の相場変動によっては追加の政策金利引き上げも辞さない構え。

経常赤字国のトルコは、工場建設から消費者ローンまで成長に必要な資金を海外に頼っている。企業は外貨建ての債務返済に苦しむ。2016年6月末時点のトルコの短期対外債務は1074億ドル(約12兆7000億円)で、外貨準備とほぼ同額。通貨危機など危機時への対応に不安を残す。


【オーストラリア】
2017年5月2日、政策金利を1.5%に据え置いた。2016年5月と8月に利下げした影響を見極める。豪中銀ロウ総裁は「経済の持続的成長とインフレ率の回復につながる」とした。一方、「一部都市の住宅価格が大幅に上昇している」と懸念を表明した。

 

【韓国】
2017年4月13日、政策金利を1.25%に据え置いた。輸出が低迷し、消費や投資に先行き懸念が出ているが、米FRBによる利上げが見込まれるほか、家計負債が増えており据え置いた。


【フィリピン】
2017年5月12日、政策金利を3%に据え置いた。中銀は、世界経済は先進国で予想されるマクロ経済政策の変更で一段と厳しい情勢になっているが、国内経済は堅調に推移する見通し。また、原油価格の上昇や通貨ペソ安で、インフレ率予想を2017年は3.3%から3.5%に引き上げた。
 

【インドネシア】
2017年5月18日、政策金利を4.75%に据え置いた。米大統領選の結果や米FRBの利上げを受け通貨ルピアが対ドルで下落傾向にあることや、原油価格上昇などによるインフレ圧力から資金流出を警戒し、据え置いた。


【ニュージーランド】
2017年3月23日、政策金利を1.75%に据え置いた。金融政策が当面緩和的なスタンスにとどまるとの見通しを示した。
 

【マレーシア】
2017年3月2日、政策金利を3%に据え置いた。原油価格が上昇基調となっていることから、消費者物価が上昇する見通しと予測した。

マレーシアは歳入の30%を石油関連産業から得ている。原油価格の下落局面では財政悪化が見込まれる。


【インド】
2017年4月6日、政策金利を6.25%に据え置いた。穀物生産など農業関連が好調。鉱工業生産指数も回復基調にある。インド政府が決めた高額2紙幣廃止で落ち込んだ個人消費も改善が続いている。パテル総裁は「2017年度の経済成長率は2016年度より高まるだろう」「年度後半にかけてインフレ率が高まるリスクがある」。今後の金融政策については「マクロ経済の動向を注視した」とした。

2月時点では、原油高やルピー安に伴う輸入物価の上昇でインフレ率が再燃する懸念があるとし、パテル総裁は「消費者物価指数上昇率を4%とする目標に身を捧げる」とした。足元の上昇率は3%台だが、世界的に原油や金属価格が上昇基調にある点や、2016年にインド政府が決めた公務員給与の一斉引き上げがインフレ圧力になるとした。

インドは原油の国内利用の80%を輸入している。原油価格が上昇すれば、物価水準を押し上げる可能性がある。
 

【ブラジル】 
■2017年4月12日、政策金利を12.25%から11.25%に引き下げた。物価上昇が沈静化してきたことから景気刺激策に軸足を移す。2017年内に8.5%まで引き下げることも示唆した。

■2017年2月22日、政策金利を13%から12.25%に引き下げた。

■2017年1月11日、政策金利を13.75%から13%に引き下げた。インフレ抑制が想定以上に進んだため、低迷が続く経済を下支える。


【タイ】
2017年3月29日、政策金利を1.5%に据え置いた。輸出や観光業が回復。タイ経済は予想より早いペースで回復する見通しを示した。

■2017年3月29日、2017年のGDP成長率を3.2%から3.4%に上方修正した。


【ロシア】
■2017年4月28日、政策金利を9.75%から9.25%に引き下げた。通貨ルーブルが対ドルで上昇し、輸入品などのインフレが鈍化。利下げに踏み切る環境が整ったと判断した。2017年内にさらに利下げする可能性も示唆した。

■2017年3月24日、政策金利を10%から9.75%に引き下げた。通貨ルーブルが対ドルで上昇し、輸入品などのインフレが鈍化。利下げに踏み切る環境が整ったと判断した。2017年内にさらに利下げする可能性も示唆した。