2014年1月、忠誠信託有限責任公司の発行した理財商品「誠至金開1号」で30億元(約520億円)が不良債権化していると公表。政府の意向を受けたとみられる第三者の投資家が理財商品を買い取ることに合意しデフォルトを回避した。2月には吉林省信託「吉信・松花江77号」で期日が到来した7億6340万元が返済されなくなっている。 これらの理財商品の投資先は石炭価格の下落で多額の債務を抱えている。2013年の一般石炭スポット価格は約85ドルで推移。日本エネルギー研究所によると2014年は90ドル前後で推移する見通し。 なお、理財商品の残高は銀行経由で9兆9000億元とみられている。 {理財商品のデフォルト懸念}
理財商品 発行額 内容
 誠至金開1号 30億元  第三者の投資家が買取
 吉信・松花江77号 9.7億元  山西省政府が救済措置か
【誠至金開1号】 山西省の石炭会社・山西振富能源集団に投資。石炭価格の下落で多額の債務を抱え実質破綻し30億元がデフォルトの危機に。政府の意向を受けたとみられる第三者の投資家が理財商品を買い取ることに合意しデフォルトを回避した。 【吉信・松花江77号】 民間採炭業者・山西聯盛能源に投資。石炭価格の下落で債務の返済が困難になっており、期日が到来した7億6340万元が返済されず。山西省政府が救済に乗り出す可能性。 {石炭価格推移} 2010年以降石炭価格は下落。欧州の経済停滞や中国・インドの経済成長減速による需要の低下、米国でのシェールガス増産による石炭輸出増加・輸入減少などにより供給過剰となっていることが挙げられる。日本エネルギー研究所によると、2014年の一般石炭スポット価格は90ドル前後となる見通し。
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年(予)
石炭価格 130ドル 123ドル 85ドル 85ドル 90ドル