鉄鉱石の価格推移。新日鐵住金やJFEスチールなど鉄鋼大手が資源各社と交渉して四半期ごとに決定する。


鉄鉱石価格推移

鉄鉱石 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
2017年 56.8ドル 77.5ドル 67ドル 60ドル
2016年 47ドル 39ドル 53ドル 52ドル
2015年 70ドル 62ドル 52ドル 51ドル
2014年 122ドル 118ドル 99ドル 85ドル


2017年

【10-12月】
対日輸出価格は1トン60ドル程度となった。豪州の鉄鉱石の生産が本格化。中国の粗鋼生産量の増加を受け、価格は上昇したものの、前期を下回った。
 

【7-9月】
対日輸出価格は1トン67ドル前後となった。中国で鋼材価格が反落し、鉄鉱石のスポット価格も下落した。中国政府が主導する住宅開発などの景気刺激策が息切れしつつあるほか、好調だった新車販売も減少に転じた。
 

【4-6月】
対日輸出価格は1トン77.5ドルとなった。中国では政府の景気刺激策で乗用車の販売や不動産価格が堅調。鋼材の需要も伸び、価格が上昇している。
 

【1-3月】
対日輸出価格は1トン56.8ドルとなった。中国では金融緩和で不動産開発が活況で、鋼材価格の上昇が継続。値決めの指標となるスポット価格が上昇した。鋼材の需要が高まるとの見立てから、製鉄所やトレーダーは鉄鉱石の調達を増やす。


2016年

【10-12月】
2016年10-12月の鉄鉱石の対日価格は、1トン52ドルとなった。指標となる中国向けスポット価格が一進一退で推移し、横ばいとなった。
 

【7-9月】
2016年7-9月期の鉄鉱石の対日価格は、1トン39ドルから53ドルと約35.8%上昇した。鋼材市況が反発すると見た中国の個人投資家の投機マネーが中国の鉄鉱石先物市場に流入した。一方、豪英BHPビリトンなど資源大手は増産体制を崩していない。
 

【4-6月】
2016年4-6月期の鉄鉱石の対日価格は、1トン47ドルから39ドルと約16%下落した。2015年秋以降、世界の鉄鋼生産の半分を占める中国で中小高炉の減産や操業停止が拡大。鋼材価格が下落している。

一方、主要生産地であるオーストラリアでは最大規模となる年間5000万トン規模の鉱山が2015年12月に出荷を開始。ブラジルでは2016年後半に大規模鉱山の新鉱区の稼働が控えている。


【1-3月】
1トン51ドルから47ドルへの引き下げで合意した。最大の輸入国である中国経済の減速で世界的に鋼材価格が下落。鉄鋼の減産が広がっている。一方、供給側の資源大手はコスト競争力を武器に高水準の生産を続けている。