英国とフランスは2017年7月に2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を全面的に禁止すると発表。排ガスによる都市部での深刻な大気汚染問題や地球温暖化に対応するのが狙いで、電気自動車(EV)の普及を促すことで関連技術の開発を後押しする。

ドイツでも2030年までにガソリン車などの販売を禁止する決議が国会で採択。オランダやノルウェーでも2025年以降の販売禁止を検討する動きがある。また、世界最大の自動車市場である中国も、ガソリン車やディーゼル車の製造・販売を禁止する方針を示し、今後導入時期を検討する。

これらの動きは自動車メーカー各社の成長戦略や世界のEV市場に大きな影響を与えることから、EVに対する主な自動車各社の今後の戦略をまとめた。


EV 自動車各社の今後の戦略

企業 内容
トヨタ 2020年までに量産体制整備。走行距離は300キロメートル超
2019年をめどに中国に導入
ホンダ 2030年までに世界販売の3分の2をEVやHVなどの電動車に
2019年に欧州でEVを発売
日産自動車 2017年10月から新型リーフを発売 走行距離は400キロメートル
2019年に中国で生産開始
独VW 2030年までに2.6兆円を投資
2025年に世界販売の25%をEVに切り替え300万台を販売 中国では150万台
独BMW 2025年までに12車種発売 走行距離は700キロメートル超
独ダイムラー 2022年までにEV車種を販売
米フォード 2020年までに5400億円を集中投資 販売車の40%をモーター駆動にする
2025年までに中国で販売する70%をEVにする
米テスラ ギガファクトリーを建設。2020年には35ギガワット相当の電池セルを年50万台に搭載
米GM 2023年までにEV又はFCVで少なくとも20車種を発売
ボルボ・カー 2019年以降に発売する全ての車をEVやHVなどの電動車に
2015年までに電動車累計で100万台を販売する
英ダイソン 2020年までにEVに参入 電池は全固体電池


【トヨタ】
 2020年までにEVの量産体制を整える。EV企画や開発を手掛ける社内組織を2017年初めにも新設。1回の充電で300キロメートルを超える距離を走行できるEVを開発する。また、2019年をめどに中国にEVを投入する。

トヨタ、マツダ、デンソーは、EVの基幹技術を共同開発する新会社を設立。軽自動車からトラックまで幅広い車種のEVを効率的に開発できる体制を目指す。2020年をめどに開発の土台となる設計手法などを確立する。


【ホンダ】
量産型EV「アーバンEVコンセプト」をベースとしたEVを2019年に欧州で発売。欧州で発売する全ての新型車にEVやHVVなど電動車モデルを用意。2030年までに世界販売の3分の2をEVやHVなどの電動車にする計画。


【日産自動車】
電気自動車「リーフ」を全面改良し、2017年10月2日に国内で発売する。フル充電で走れる走行距離は従来の1.4倍の400キロメートル。EV普及の目安となる320キロメートルを上回った。

米国とカナダ、欧州でも2018年1月から購入者への引渡を開始。年10万台規模の世界販売を目指す。

仏ルノー・日産自動車連合は、中国・東風汽車集団とEVを開発する合弁会社を設立。2019年にも中国で生産を始める計画。


【独フォルクスワーゲン】
2025年までにEVを50車種投入。2030年までに200億ユーロ(約2兆6000億円)を投資する。EV専用の車台を2種類開発。工場の改良や充電インフラの拡充、電池開発を進める。これとは別に蓄電池調達に2025年までに500億ユーロ分を調達する。

2025年には世界販売の25%をEVに切り替え300万台を販売。中国では150万台を販売する計画。2018年にEVの中国現地生産を開始する。


【独BMW】
2025年までにEVを12車種発売する。航続距離が700キロメートルを超える車種などを投入する見通し。


【独ダイムラー】
2022年までにEV車種を販売。「Aクラス」「Cクラス」相当のEVを投入する。


【米フォード】
2020年までにEV開発に45億ドル(約5400億円)を集中投資。13種類のHVやEVを製品化し、販売する車の40%をモーター駆動の車にする方針。また、2025年までに中国で販売する車の70%をEVにする方針。


【米テスラ】
大規模な電池工場ギガファクトリーを建設。総投資額は5000億円。2020年には35ギガワット相当の電池セルを生産し、年間50万台のEVに搭載する目標。


【米GM】
2023年までにEV又はFCVで少なくとも20車種を発売する。2018年度までに新モデルを2車種投入する。なお、中国はGMにとって米国を上回る市場で、売上高全体の4割弱を占める。


【スウェーデン ボルボ・カー】
2019年以降に発売する全ての車をEVやHVなどの電動車にする。2025年までに電動車累計で100万台を販売する計画。


【英ダイソン】
2020年までにEVに参入。開発費は約3000億円を投じる方針。400人規模の体制で、バッテリーから車体の設計・開発まで基本的に自前で手がける。採用する電池はリチウムイオン電池ではなく、全固体電池という。