中国人民銀行が2016年4月7日発表した3月末の外貨準備高は3兆2125億ドル(約347兆円)と、前月末より102億ドル増加した。中国の外貨準備は世界最大だが、昨年11月から4カ月連続で減っており、増加は5カ月ぶりとなる。

米利上げ観測の後退で人民元の下落圧力が一時的に緩み、ドルを売って元を買う為替介入が減ったことが主因。外貨準備が増加に転じたことで、外貨準備の急減が市場の不安に拍車をかけ、人民元の下落圧力が一段と強まるという悪循環はひとまず避けられたが、中国景気は減速が続いているのが現状。元相場や外貨準備が安定を取り戻せるかどうかは不透明。

IMFによると、中国の外貨準備の必要水準は2兆8000億ドル前後としている。