アイロムグループは、遺伝子創薬領域で、虚血肢治療製剤、エイズ等感染症ワクチン、網膜色素変性治療製剤を開発している。遺伝子治療は、人の身体に特定の遺伝子を入れ、正常な機能を果たしていない遺伝子の働きを抑制したり、補ったりして正常な機能を回復し、病気を治すもの。再生医療と並ぶ次世代医療の柱だが、まだほとんど製品化されていない。遺伝子治療薬の世界市場は、2020年に400億ドル(約4兆7000億円)になるとの試算もある。

虚血肢治療製剤は、閉鎖性動脈硬化症や糖尿病など様々な要因を起因とする下肢血行障害の治療薬。国内では40万人、欧米では300万人、中国では648万人の患者がいるとみられる。

アイロムグループの虚血肢治療製剤の開発は、日本でPHⅡ、オーストラリアでは前臨床、中国では前臨床の段階にある。オーストラリアでは2016年5月に臨床試験が開始された。

なお、虚血肢治療製剤の上市予定は2022年。対象地域は全世界としている。


アイロムグループ 虚血肢治療製剤の開発

【開発段階】

治験実施国 前臨床 PHⅠ PHⅡ PHⅢ 上市
日本 実施中   2022年
オーストラリア      
中国        


アイロムグループの遺伝子治療薬の開発

遺伝子治療薬 上市予定
エイズ治療ワクチン 2026年
網膜色素変性症治療製剤 2024年


【エイズ治療ワクチン】
国立感染症研究所とセンダイウイルスベクターを用いたエイズウイルスワクチンを開発し、特許を取得。前臨床試験では他の遺伝子ワクチンに比べて高い感染抑制効果が得られた。上市予定は2026年で、対象地域は中国を除く全世界。


【網膜色素変性症治療製剤】
網膜色素変性症は、網膜の視細胞層及び色素上皮層が広範に犯されて細胞が自ら死に至る難治性の遺伝子性疾患。3000人に1人が発症。日本では3万人、世界では200万人の患者がいると推定されている。上市予定は2024年で、対象地域は日本。

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