2016年注目のiPS細胞関連銘柄一覧。2016年に注目しておきたい企業の動きをまとめた。

2016年は、リプロセルの営業利益が1.2億円に黒字転換。ローツェはiPS細胞などの自動培養装置の販売を開始。アイロムグループはiPS細胞量産工場を稼働させる見通し。2017年には、大日本住友製薬が他人のiPS細胞から作った網膜細胞を入れた注射剤のサンプル生産を開始。ヘリオスは網膜細胞シートの臨床試験を開始。澁谷工業は細胞シートの量産技術を確立する見通し。


iPS細胞 2016年注目の関連銘柄

コード 企業 注目点
4978 リプロセル 2016年度に営業利益が1.2億円に黒字転換
6323 ローツェ iPS細胞などの自動培養装置を開発。2016年3月に販売開始
2372 アイロムグループ iPS細胞量産工場が2016年に稼動
4506 大日本住友製薬 他人のiPS細胞から作った網膜細胞を入れた注射剤開発
2017年にサンプル生産開始
4593 ヘリオス 網膜細胞シート。2017年から臨床試験を開始
6340 渋谷工業 細胞シートの量産技術を2017年をめどに確立

【リプロセル】
2014年から2015年にかけて細胞製品普及の基盤作りを行い、2016年から大量に使用されることによる売上高の大幅な増加を見込んでいる。利益面では、営業利益が2015年の▲5.5億円から2016年には1.2億円の黒字転換を見込んでいる。

  売上高 営業利益 経常利益 純利益
2017年 31億円 5.3億円 5.9億円 4.4億円
2016年 23億円 1.2億円 1.8億円 1.2億円
2015年 15億円 ▲5.5億円 ▲4.9億円 ▲4.9億円


【ローツェ】
iPS細胞などの自動培養装置「セルキーパー」を開発。作業者が日夜・休日を問わず手作業で行っていた培地交換を自動化する。販売開始は2016年3月。価格は1480万円から。2016年は10台、2018年には100台の販売を計画する。


【アイロムグループ】
iPS細胞の量産工場を茨城県に建設する。投資額は約40億円。資金は豪投資銀行マッコーリ・グループから調達する約50億円を充当。稼動は2016年。生産能力はフル稼動で約300億個まで増やせる見通し。心臓病関連の移植手術では年200人近い患者に供給できるという。 


【大日本住友製薬】
理化学研究所と連携して、他人のiPS細胞から作った網膜細胞をそのまま入れた注射剤の開発に取り組むもよう。対象疾患は目の難病である「加齢黄斑変性」で、現在の細胞シートでは細胞採取から移植まで10ヶ月程度かかるが、注射剤は移植準備から施術までの期間を大幅に短縮でき、費用の削減が見込めるという。2017年にもサンプルの注射剤の生産を始め、臨床研究を進める。2020年にも医薬品として日本での承認取得を目指す。


【ヘリオス】
大日本住友製薬と網膜細胞シートを共同開発。2017年から第Ⅰ相/第Ⅱ相試験に相当する臨床試験を数十例程度の規模で開始。2019年下期頃に改正薬事法における製造販売にかかる条件付き承認の申請を行う予定。


【渋谷工業】
理化学研究所とニコンとiPS細胞培養装置を共同開発。2017年をめどに病気や事故で傷ついたところに移植する細胞シートの量産技術確立を目指す。

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