東京大学の山田泰広教授らと京都大学の研究チームは、治療の難しい小児の脳腫瘍の悪化に関わる2種類の遺伝子をiPS細胞を使って病気の様子を再現して見つけた。実験に使った薬剤の一部は、新薬開発に役立つ可能性があるという。

対象としたのは「エーティー・アールティー」と呼ばれる小児の脳腫瘍の一種。悪性度が高く、発症すると半数以上が1年以内に亡くなる。原因に関わる遺伝子が知られているが、マウスの動物実験などで病気の様子を再現できなかった。研究チームは、人のiPS細胞を使って再現を目指した。