メガカリオンは、大塚ホールディングスやシスメックスなど国内15社とiPS細胞を使い、血小板を量産する技術を確立した。確立したのは血小板の血液製剤。外科手術時や交通事故の被害者など止血が必要な患者に使う。

献血由来の血小板は冷蔵保存ができず4日間しかもたない。iPS細胞から作れば無菌化により2週間ほど保存できる。ウイルスなどの病原体の混入も防ぐことができ、保管コストも安くなるという。

安全性などを調べる臨床試験用の製剤を製造し、2018年中に臨床試験を開始。2020年の承認を目指す。

従来の献血由来の製剤は保存期間が4日間。iPS細胞由来の血小板製剤は2週間と長い。血小板製剤の国内市場は約730億円。

 

メガカリオン iPS細胞から血小板

項目 内容
技術 iPS細胞から血小板を量産する技術を確立
臨床試験 2018年
承認 2020年

 

 血小板製剤関連の動き

【京都大学 血小板製剤を大量に作る技術にめど】
京都大学の江藤浩之教授らは、iPS細胞から止血作用のある血小板製剤を大量に作る技術にめどをつけた。今後、商業生産を目指して改良を進める。

iPS細胞から血小板のもとになる細胞を作り、液体に入れてかき混ぜながら血小板を培養する。従来の技術では、できた血小板で輸血に使えるのは4割にとどまり、臨床応用するには効率が悪く、コスト高になっていた。新技術では、9割が輸血に使える品質だったという。


【iPS細胞で血小板が減る難病を治療する臨床研究】
京都大学は、2018年8月20日、iPS細胞を用いて血小板が減る難病を治療する臨床研究計画書を国に提出したと発表した。厚生労働省の審議を経て、1年以内の輸血を目指す。

臨床研究の対象は、血液成分が減る難病「再生不良性貧血」の中でも血小板が減る「血小板減少症」。他人の血小板を輸血しても拒絶反応で消えてしまい、効果が出ない特殊な例としている。患者自身の細胞からiPS細胞を作り、血小板に育てて3回に分けて患者に輸血する。

費用は患者自身の細胞からiPS細胞を作るため、5000万円と高価。血液製剤を補うためにはコスト低減が欠かせない。

項目 内容
輸血開始 2019年までに

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