約120兆円の公的年金資金を運用する年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)は、2013年7月2日、2012年度の運用成績が11兆2222億円、運用利回り10.23%となったと発表した。2012年11月からの円安・株高の影響で国内外の株式評価額が膨らんだ。 資産別運用益は、国内株式が3.3兆円、外国株式が3.8兆円。2013年3月末時点の運用資産額は120兆4653億円で前年同月比約6兆8541億円の増加となった。 {GPIFの課題} 運用規模約120兆円と世界最大級の機関投資家であるGPIFの運用実績は、2003年から2011年度14%とカナダの年金基金の57%やノルウェーの40%などと比べて低い。またGPIFは2009年度以降、年金給付額の増加で年4~6兆円を取り崩しており、運用成績の向上が急務になっている。政府は有識者会議を設け、運用の目安とする資産構成割合の変更や法人体系、ガバナンスなどを議論するとしている。 【公的年金 資産構成比較】
GPIF | カナダ所得比例年金 | ノルウェー政府年金基金 | ||
資産規模 | 120兆円 | 15兆円 | 61兆円 | |
資産 構成 |
株式 | 20% | 44% | 61% |
債券 | 75% | 30% | 34% | |
現預金 | - | - | 2% | |
その他 | 5% | 26% | 3% |
【GPIFの外部委託先】 三井住友信託銀行、ブラックロック、三菱UFJ信託銀行の3社で4380億ドル(約43兆円)