アステラス製薬は泌尿器疾患、移植関連、がんの3つを重点領域と位置付ける。泌尿器では、過活動膀胱治療剤ベシケアと今後の新製品であるミラベクロンによりグローバル過活動膀胱市場でナンバー1のポジションを目指す。移植領域では、開発パイプラインにある化合物の開発加速、研究技術基盤の一層の強化、再生医療用医薬品の研究に着手。がん領域では、がんビジネスの基盤を早期に確立する。
| 項目 | 内容 |
| 泌尿器 | 過活動膀胱市場でナンバー1のポジション獲得 |
| 移植領域 | 開発パイプラインの化合物開発加速や再生医療用医薬品の研究に着手 |
| がん | ビジネス基盤を早期に確立 |
【M&A】
現金・現金同等物3000億円から3500億円を目安に手元に置き、1500億円から2000億円をM&Aなどに投じる。銀行借入を組み合わせることで、2000億円以上の案件も対象にする。
| 現金・現金同等物 | M&A | |
| 計画 | 3000億円~3500億円 | 1500億円~2000億円 |
業績計画
| 2014年 | |
| 売上高 | 1兆960億円 |
| 営業利益 | 2260億円 |
| ROE | 15%以上 |
外部環境
| 項目 | 内容 |
| 外部環境 | 医療費抑制策の促進 |
| 市場成長率の低下 | |
| 市場の複雑化の進展 |
【医療費抑制の進展】
先進国では少子高齢化により社会保障財政がひっ迫し、医療費抑制策が進展。
| 国 | 内容 |
| 日本 | 薬価の継続的な改定 |
| 後発品の使用促進による長期収載品の使用抑制 | |
| 高齢者自己負担の見直し | |
| 米国 | メディケアパートD施行による価格抑制の可能性 |
| 集中購買の促進 | |
| 欧州 | 各国で医療費抑制策の促進 |
| 参照価格の拡大や後発品処方の促進 | |
| 平行輸出入の拡大 |
【
市場成長率の低下】
ブロックバスターの規模や数の低下、先進国での価格抑制圧力、後発医薬品の普及などから、今後世界市場は年10%成長から年5~8%の低成長になる可能性。
| 1980年~2005年 | 2005年~2015年 | |
| 世界市場の平均成長率 | 10% |
5~8% |
| 市場 | 成長率 |
| 総市場 | 5~8% |
| 北米 | 5~8% |
| ヨーロッパ | 5~8% |
| 日本 | 2~5% |
| ラテンアメリカ | 6~9% |
| アジア | 8~11% |
| オーストラリア | 8~11% |
【市場の複雑化の進展】
同じ診断名の病気に対して同一の薬剤を提供していた市場から、厳密に定義された患者セグメントに効果の高い薬剤を提供する市場に変化していく。
| 市場構造 | 想定する市場構造 |
| 同一診断名の病気に同一の薬剤 | 患者セグメントに効果の高い薬剤を提供 |
