5Gの実証実験が活発化している。総務省は、2020年度から5G基地局を整備する携帯会社や自治体に補助金を出す。過疎地や電波のつながらない地域での基地局整備を後押しする。2020年度予算の概算要求に盛り込む。4G基地局の5G基地局への転換支援に36億円、農業や遠隔医療などに5Gを導入する実験費に70億円、光ファイバー網に65億円、ローカル5Gを使った実験事業などにも拠出する。


■5G 主な実証実験

【NTTドコモ】
和歌山県立医科大学と遠隔医療を実験。高度な治療が必要な患者のもとに近くの医師を派遣。遠隔地にいる熟練医師と5G通信網で接続。高精細なテレビ会議システムで熟練医師の指示を受けながら治療する。


【KDDI】
信州大学と遭難した登山者の救助に活用。4Kカメラを載せたドローンで遭難者を撮影し、捜索隊に映像を送信する。

2019年8月にセコムとの5Gでスタジアム周辺警備の実証実験に成功。KDDIのドローンとセコムの自立走行型巡回監視ロボット、警備員が装備したカメラからの4K映像を、5Gを経由してセコムの移動式モニタリング拠点に伝送。広範囲なエリアを高精細な映像で確認し、不審者の認識から捕捉まで、一連の警備対応が可能になることを実証した。


【ファナック・日立製作所・NTTドコモ】
5Gを活用した製造現場の高度化に向けた共同検討を開始。工場・プラント内の完全無線通信化を目指す。

ファナックの本社工場と日立の大みか事業所で、5Gの電波伝搬測定と伝送実験を開始。工場・プラントでの生産制御システムひ必要なネットワークでの5G活用検証を行う。また、ファナックの自社工場では、産業機械との5G接続・無線制御を検証。日立の大みか事業所では、制御ネットワークへの適用性検討や高精細映像のリアルタイム共有など遠隔保守作業支援の検証を実施する。