旭化成は、2014年2月25日、繊維原料など石油化学事業でコスト競争力の劣る国内の生産設備を相次ぎ停止すると発表した。2014年1~3月期に特別損失180億円を計上する。国内設備を停止することで、2017年3月期には年間50億円以上の営業利益改善効果を見込んでいる。


旭化成 ケミカル事業の業績推移

  2010年 2011年 2012年
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益
ケミカル 7608億円 643億円 7006億円 444億円 7052億円 229億円


生産設備削減

 【エチレン】
2016年4月を目途に三菱化学とエチレンセンターを集約し、生産能力を100万トンから57万トンに削減する。

  生産能力
旭化成ケミカルズ 50万トン→破棄
三菱化学 50万トン→57万トン


【アクリロニトリル事業】
需給バランスの悪化による市況の低迷や原燃料価格の高騰を要因に、現在の国内の生産能力45万トンを20万トンに削減。コスト競争力の高い3拠点に生産を集中する。川崎地区の生産設備停止は2014年8月を目途。

  設備 生産能力
 国内 川崎地区 15万トン→停止
水島地区 10万トン→他製品の生産へ
20万トン
 海外 韓国 56万トン
タイ 20万トン


【スチレンモノマー】
生産能力71万トンを32万トンに削減する。今後アジア地域での大型プラントの新増設が計画されていることから、市況低迷が見込まれるため。2016年3月を目途。

  生産能力
 水島地区 32万トン
39万トン→停止


【ABS樹脂「スタイラック」】
年産6万5000トンの生産設備を2015年12月を目途に停止。AS樹脂と外部調達するABS樹脂をコンパウンドする事業に転換。


【SBラテックス】
年産6万トンの生産設備を1万2000トンに削減。

  生産能力
川崎地区 3.6万トン
水島地区 2.4万トン→停止


【凡庸エポキシ樹脂】
年産3万7000トンの生産設備を2015年5月を目途に停止。