中国人民銀行は、2013年7月19日、銀行の貸出金利の下限を20日から撤廃すると発表した。中国は預金金利の上限を基準金利の1.1倍、貸出金利の下限を基準金利の0.7倍と設定している。 現在預金受け入れの基準金利は3%、貸出の基準金利は6%であることから、銀行の1年物定期金利の上限は3.3%、貸出金利の下限は4.2%に設定。シャドーバンキングで問題視されている理財商品の金利は5~10%とされており、銀行を介さない理財商品が広がる原因となっていた。 シャドーバンキングの抑制効果は限定的との見方が多いが、貸出金利の規制を撤廃することで、銀行間の競争で金利水準が決まる余地が広まる可能性がある。 中国人民銀行によると、現在銀行が基準金利以下で融資しているケースは全体の10%未満のもようで、貸出金利の下限規制を撤廃しても、銀行の利ざやの縮小は限定的とされている。 中国は金融システムに大きな影響が出ない範囲で預金金利自由化などを徐々に進めていく方針。