政府は、日本企業によるインフラ輸出規制を見直す。2017年~2021年の国による資金供給枠を現行目標の1100億ドルから最大2000億ドル(約22兆円)に増加。北米やアジアなどで高速鉄道や発電所、港湾建設など大規模プロジェクトの受注につなげる。2017年度予算などで政府系金融機関の資本増強などの措置を手当する。

途上国に長期・低金利で融資する円借款では、手続きに要する期間を5年程度から1年半に短縮する。

国際協力機構(JICA)関連では、円や米ドル、現地通貨建てしかできなかった融資事業の対象にユーロ建てを追加。潜在的な需要が多いアフリカ諸国はユーロ建て資金の需要が高いという。また、現地企業などへの出資比率上限を25%から50%に引き上げ。国が信用補完し、民間がリスクを取りやすくする。

高速鉄道などを投資対象とする海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)や通信システムなどを投資対象とする総務省系ファンドの資金調達規制を緩和。資本金の範囲内としていた借入や社債発行の上限を引き上げ、大型案件に出資しやすくする。

日本貿易保険は、相手国でテロや自然災害などが起きた場合に補償する投資保険でカバー率の上限を95%から100%に引き上げる。


政府 インフラ輸出規制を見直し

項目 内容
円借款 手続き期間 5年程度→1年半
JICA 融資事業でユーロ建てを追加
現地企業への出資比率上限 25%→50%
JOIN 資本金の範囲内としていた借入や社債発行の上限引き上げ
総務省系ファンド
日本貿易保険 投資保険カバー率の上限 95%→100%