日立製作所は欧州事業に注力している。鉄道事業では、英国で150億円を投じ鉄道車両工場を建設し、2016年はじめから本格稼働する。イタリアでは2600億円を投じ鉄道信号・車両事業を買収するなど事業を強化した。

原子力発電事業では、2012年11月に892億円で買収した英国の原子力発電所開発会社ホライズン社の原子力発電所計画などがある。

日本経済新聞によると、日立製作所は欧州事業の売上高を2014年の8400億円から2020年をめどに1兆6000億円に引き上げる計画であるもようであることから、日立製作所の欧州事業関連情報をまとめた。
 

  2014年 2020年
欧州事業売上高 8400億円 1兆6000億円


鉄道

【英国】
2016年はじめから英国で鉄道車両工場を本格稼働。投資額は8200万ポンド(約150億円)。英国政府は2020年代後半をめどに総事業費約9兆円の英国版新幹線の整備を検討。2020年代に地下鉄の老朽車両3000両の更新を検討している。日立製作所はこれらの新規受注を目指す。

日立製作所の英国での受注状況は、高速鉄道用車両「IEP」の866両の製造や27年にわたる保守点検などを約1兆円で受注。2015年7月に別の都市間高速鉄道で173両を受注している。

項目 内容
受注目標対象 英国版新幹線の整備計画 総事業費9兆円
地下鉄老朽車両3000両の更新


【イタリア】
イタリアのフィンメカニカから鉄道信号・車両事業を買収。買収額は約2600億円。完了は2015年後半。

日立製作所は信号・運行管理システム事業やプロジェクトの一括請負事業を強化し、成長が見込まれる新興市場での事業拡大を図る。


エネルギー

【エネルギーソリューション】
日立製作所はスイスABBと提携拡大を目指している。日立製作所とスイスABBは、2014年12月16日、日本国内向け高圧直流送電事業の合弁会社設立で合意。日立製作所が受注するプロジェクトにABBの最新技術を導入し、設計からエンジニアリング、機器供給などを一括で請け負う。

日立製作所はABBと変圧器や遮断器、制御分野での提携拡大を模索。ビッグデータ解析で電力需給を効率化する事業に進出することを目指す。

項目 内容
ABBと提携拡大 変圧器や遮断器、制御分野での提携拡大を模索


【原子力発電】
日立製作所は、2012年11月26日、英国の原子力発電事業開発会社ホライズン社を買収。買収額は892億円。英国に原子力発電所を4~6基建設する計画。出力は600万キロワット。2019年に着工し、最初の原子炉は2020年代前半の運転開始を目指す。

また、リトアニアでも建設準備。ポーランドやフィンランドでも新規建設計画があり、それらの受注を目指す。

内容
英国 4~6基の建設計画 2020年代前半に運転開始
リトアニア 建設準備を進める
ポーランド 新規建設計画での受注を目指す
フィンランド
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