住友ゴム工業は、2014年2月14日、米グッドイヤーから資本・業務提携関係の解消の申し入れを受けたと発表した。住友ゴムと米グッドイヤーは1999年に資本・業務提携。日米欧市場におけるブリヂストンとミシュランへの対抗が目的だったが、現在の成長市場は中国など新興国へ移行。日本以外のアジアなどは提携の枠組みに入っておらず、住友ゴムの「ダンロップ」と「グッドイヤー」ブランドの競合が目立つようになっているようだ。 ダンロップとグッドイヤーブランドのタイヤについて欧州に生産拠点・販売会社、日本に販売会社、米国に調達や技術開発の共同出資会社を6つ設けており、全てを見直す方向で交渉を進める見通し。 住友ゴムはこれまで提携関係があるために北米や欧州で主力の「ダンロップ」ブランドを自由に販売できなかった。欧米には生産拠点もない。
主要業績指数推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2014年(予) | 8300億円 | 750億円 | 450億円 | - | - | - |
2013年 | 7806億円 | 745億円 | 447億円 | 3588億円 | 8674億円 | 38% |
2012年 | 7102億円 | 673億円 | 354億円 | 2711億円 | 7375億円 | 33.1% |
2011年 | 6769億円 | 499億円 | 283億円 | 2221億円 | 6716億円 | 29.4% |
2010年 | 6045億円 | 424億円 | 214億円 | 2129億円 | 6222億円 | 30.5% |
【地域別売上高推移】
2012年 | 2013年 | |
日本 | 3737億円 | 3820億円 |
アジア | 1173億円 | 1507億円 |
北米 | 812億円 | 892億円 |
その他 | 1379億円 | 1585億円 |
【世界のタイヤ市場シェア(2012年)】
ブリヂストン | ミシュラン | グッドイヤー | コンチネンタル | 住友ゴム | ピレリ | ハンコック | 横浜ゴム |
15.3% | 14% | 10.1% | 5.8% | 4.1% | 4.1% | 3.3% | 3% |
経営目標
2015年 | 2020年 | |
売上高 | 9400億円 | 1兆2000億円 |
営業利益 | 1000億円 | 1500億円 |
ROE | 15%以上 | 15%以上 |
世界のタイヤ需要は年平均で4%伸び、2020年には約20億本に拡大。特に中国を含む新興国市場では2020年に世界の半分を占めると予測している。新興国を中心とした成長市場での拡販、シュミレーション技術の更なる進化と活用、次世代新工法の適用拡大、環境対応商品の拡充などに経営資源を投入し、企業価値の最大化を目指す。
【2020年のタイヤ需要予測(対2011年増減率)】
国・地域 | 需要本数 | 対11年増減率 |
日本 | 9800万本 | ▲10% |
北米 | 3億9100万本 | 14% |
欧州 | 4億1700万本 | 12% |
中国 | 3億5000万本 | 73% |
中南米 | 1億4500万本 | 65% |
大洋州 | 1億4000万本 | 26% |
インド | 1億3300万本 | 148% |
中近東 | 1億900万本 | 58% |
ASEAN | 7200万本 | 60% |
ロシア | 5900万本 | 36% |
アフリカ | 5400万本 | 41% |