タカラバイオは、iPS細胞に代表される再生・細胞医療の実用化に向け、これまで遺伝子治療や細胞の臨床開発で培ってきた技術・ノウハウと活用し、バイオ医薬品の製造受託のみならず、研究開発のパートナーとして研究受託業務を行う事業の拡大を目指すとしている。目的の細胞に遺伝子を導入するための核酸分子である遺伝子導入用ベクターは、今後臨床試験段階が進むことによる需要の増加や大学、企業等からの臨床開発受託に伴う需要増加が想定されている。

タカラバイオは、2013年8月に公募増資で109億円を調達した。83億円を滋賀県草津市に建設する遺伝子医療の研究棟や動物実験施設に、26億円を遺伝子医療事業における臨床開発プロジェクトなどへの研究開発資金に充当する。

今後の研究開発費投資計画では、頭頸部がん及びメラノーマ(悪性黒色腫)を対象疾患とした「がん治療薬HF10」及びHIV感染症を対象疾患とした「MazF遺伝子治療」の2つのプロジェクトが米国でフェーズ1(安全性試験)を実施中となっている。これらの臨床開発プロジェクト費用を含め、研究開発費に3年間で52億円の投資を計画している。


主要業績指数推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2013年(予) 237億円 21億円 13億円 - - -
2012年 205億円 19億円 14億円 414億円 466億円 88.8%
2011年 195億円 18億円 10億円 384億円 440億円 87.1%
2010年 187億円 12億円 6億円 376億円 425億円 88.3%
2009年 193億円 8億円 5億円 377億円 436億円 86.6%
2008年 189億円 3億円 6億円 371億円 431億円 86.2%