タカラバイオは、2013年6月24日、米国セルラーダイナミックス・インターナショナル社(CDI)とレトロネクチンのiPS細胞作製におけるライセンスを供与する契約を締結した。これにより、CDIはタカラバイオのレトロネクチンを使用したiPS細胞の販売・作製受託サービスが可能になる。

レトロネクチンとは、タカラバイオが開発したヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組替タンパク質で、造血幹細胞など血球系細胞への遺伝子導入を可能にする。レトロネクチン法は、欧米を中心とした医療研究機関や民間企業が行っている遺伝子治療臨床研究でスタンダードになっている方法で、タカラバイオはそれらに関連する特許を保有している。

CDIはヒト幹細胞研究分野で著名な米国ウィスコンシン大学のジェームス・トマソン博士らによって設立。CDIは今後レトロネクチンを用いてiPS細胞由来の心筋細胞や神経細胞の製造販売、iPS細胞作製受託などのビジネスを展開する。 なお、レトロネクチン関連事業を含む遺伝子医療セグメントは2012年度売上高12.40億円、利益11.12億円の赤字、2013年度は売上高14.34億円、利益14.24億円の赤字見通し。


レトロネクチン関連事業を含む遺伝子医療セグメント推移

  売上高 利益
2013年(予) 14.34億円 ▲14.24億円
2012年 12.40億円 ▲11.12億円
2011年 8.42億円 ▲11.86億円