安倍首相による成長戦略の基本方針が出そろった。4月の「女性、若者の活用」、5月の「企業や農業の活性化」、6月の「公的ビジネスに民間の活力を活用」を表明し、政府は6月14日に閣議決定する。 {成長戦略 第1弾} 安倍晋三首相は、2013年4月19日、6月にまとめる成長戦略の第1弾を発表し、女性の活躍を成長戦略の中核と位置づけ、今年度から2年間で20万人、5年間で40万人を保育する環境を整えて待機児童解消を目指す。ロシアや中東に先端医療センターを設けるなど、医療を成長産業に育てる。
健康・医療 医療研究開発の司令塔「日本版NIH」を創設
医療機器を海外に売り込む官民共同の新組織を設立
再生医療の実用化へ規制緩和を推進
労働 成長産業への再就職を支援する助成金の拡充
フリーターの「試験雇用」に取り組む企業に助成金
若者・女性 就職活動解禁を「大学3年生に3月」からとするように経済団体に要請
5年間で「待機児童ゼロ」へ環境整備
「育児休業3年」を経済団体に要請
【参考】 ・[再生医療に関する国の政策[2431]] ・[就活解禁 大学3年生の3月から[2463]] ・[育児休暇3年 経済団体に要請[2464]] {成長戦略 第2弾} 安倍晋三首相は、2013年5月17日、6月中旬にまとめる成長戦略の一環として、今後3年間を企業の設備投資を促す集中期間と位置付け、税制・予算措置や規制改革など政策を総動員する考えを示した。 民間企業の設備投資を2012年63兆円から2015年70兆円規模に引き上げる。また、経済外交を強化して原子力発電所や鉄道などを売り込み、日本企業のインフラ受注額を2010年10兆円から2020年30兆円規模に増やす意向。
企業の活性化  民間リース会社が企業に設備を貸しやすくする保険制度を創設。民間の設備投資額を3年間で1割増の70兆円規模に。
海外でのインフラ受注額を2020年に現在の3倍の30兆円
農業の活性化   都道府県が耕作放棄地を集約し、農業生産法人に貸し出す制度を創設
農業所得を10年間で倍増
農林水産品の輸出額を2020年までに1兆円に倍増
クールジャパン・観光  訪日外国人数を年間800万人前後から2000万人 
放送コンテンツの輸出額を2018年に現在の3倍以上
教育 大学の外国人教員を3年間で倍増 
【参考】 ・[設備投資拡大へ リース活用の支援制度[2343]] ・[日本企業のインフラ受注 2020年30兆円[2348]] ・[農地集約へ新組織 貸し借りを仲介[2462]] 【関連情報】 ・[1年間限定 1000億円規模の設備投資減税[1650]] ・[日本取引所 2015年インフラ向け新市場創設[2323]]
{成長戦略 第3弾} 安倍首相は、2013年6月5日、成長戦略の第3弾を明らかにし、電力・医療・インフラ整備など公的ビジネスの分野で規制改革や特区創設を進め、民間の活力を活用する。電力小売りの完全自由化を進めるほか、空港、道路整備で民間資金を活用していく。
公的ビジネスに民間活力     成長シナリオの実現で、1人あたりの国民総所得は年3%超、2023年までの10年間で150万円以上増やす
2023年までの日本の電力関係投資を30兆円規模に拡大(これまでの1.5倍)
最新技術を活用したインフラ整備で長寿命化を目指す
2020年に外国企業の対日直接投資残高を35兆円に倍増
利用可能な農地がどこにあるのかを誰でも確認できる「農地利用電子マップ」を整備
【参考】 ・[電力小売り参入自由化[2264]]