大手損害保険会社が「フィンテック」を使って貨物保険の手続きにかかる時間を大幅に短縮する実証実験を開始する。貿易に関係する手続きの時間を短縮することで、企業は機動的に輸出入ができ、材料を仕入れる製造業も生産調整をしやすくなる。

東京海上日動火災保険は月内にNTTデータと連携し、コンピューター間で取引記録を持ち合う「ブロックチェーン」を使って貨物保険の書類を共有。貨物保険は「保険証券」という書類を保険会社が輸出企業に発行し、取引先の銀行や現地の銀行などに裏書譲渡して、輸入業者に渡るという。

三井住友海上火災保険は保険証券に加え、船積み書類や銀行が発行する信用状などの書類をブロックチェーンで共有する実証実験を始める。既に2月に買収した英保険会社アムリンが11月から着手しており、三井住友海上と分担しながら実証を進める。来年1月から実験を開始し、書類の削減などで年2億円のコスト削減を見込む。
 

大手損保 フィンテックで貨物保険の手続き大幅短縮

【東京海上日動火災保険】

項目 内容
提携先 NTTデータ(今月内)
手続き 「ブロックチェーン」を使い貨物保険の書類を共有


【三井住友海上保険】

項目 内容
実験内容 保険証券や積み書類、銀行が発行する信用状などの書類をブロックチェーンで共有
実験開始時期 2017年1月