2014年に広がった個人向けの遺伝子検査サービスが次の段階に移ろうとしている。検査結果を活用してカスタマイズした商品やサービスを開発する。

遺伝子を含むゲノムは、4種類の塩基の配列からなるデータ。2014年に日本でも消費者の遺伝子から疾病リスクを検査するサービスが立ち上がり。5年間で積みあがったデータを生かして研究されてきた商品やサービスが実用段階に入りつつあるという。

中外製薬は、遺伝子検査から患者に最適な抗がん剤を選ぶサービスの販売準備を進める。
ユーグレナ参加のジーンクエストとヤフーは、九州大学とがん患者の治療法の選択に遺伝子検査を利用する共同研究を実施する。

花王は、2018年11月、塩基配列が転写されるRNAを、あぶらとり紙で採取したと発表。RNAの塩基情報と量から、どんなタンパク質がどれだけ生産されているかがわかる。RNAの量は日々変わることから、顧客ごとに適した化粧品を薦めるなどのサービスを模索する。

電通は、2017年9月に遺伝子検査を基にプロスポーツ選手に栄養やトレーニング指導を行う「スマートセル・アンド・デザイン」を発足。2017年11月には、狙った遺伝子を改変できる「ゲノム編集」の研究を進めている米ツイストバイオサイエンスとも資本提携した。

楽天は、遺伝子検査サービスのジェネシスヘルスケアと資本提携。2018年5月、自社の各種サービスで取得したデータと遺伝子の相関性を研究する組織を設立した。