田辺三菱製薬は、アンジェスMGが開発したHGF遺伝子治療薬の販売権を取得。糖尿病などが原因で発症する「重症虚血肢」の治療薬。重症虚血肢は、足の血流が悪くなり、血管が壊死する病気で、進行すれば足の切断につながる可能性があるという。

アンジェスMGが開発したHGF遺伝子治療薬は、健康な人から取り出した遺伝子を使い、血管を新たにつくる機能を持つ。患者の足に注射すると、古い血管に変わる新しい血管が出来上がるという。

田辺三菱製薬は、2012年10月に米国での独占販売権を、2016年2月には日本での独占販売権を取得。2016年内に臨床試験の目途をつけ、2017年の早い時期に国内で発売を開始する見通し。

遺伝子治療とは、人の身体に特定の遺伝子を入れ、正常な機能を果たしていない遺伝子の働きを抑制したり、補ったりして正常な機能を回復し、病気を治すもの。再生医療と並ぶ次世代医療の柱だが、まだほとんど製品化されていない。遺伝子治療薬の世界市場は、2020年に400億ドル(約4兆7000億円)になるとの試算もある。


田辺三菱製薬とアンジェスMG 注目の遺伝子治療薬の動き

項目 内容
HGF遺伝子治療薬 2016年内に臨床試験の目途。2017年に販売開始


田辺三菱製薬 2016年注目の動き

2015年6月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の効能が承認された「ラジカット」が2016年度に承認・上市予定。

項目 内容
ラジカット 2016年度に米国で承認・上市

 

田辺三菱製薬の銘柄診断