京都大学iPS細胞研究所は、味の素などと共同でiPS細胞の新しい培養法を開発した。 iPS細胞は細胞を増やすために欠かせない「足場」と「培養液」にマウスやウシ、ブタなど動物由来の成分がないと大量に増やせないとされてきた。研究グループは、アミノ酸やタンパク質を組み合わせ、培養液を作製。動物成分を使わずに増やせる方法を見つけた。 ウシの血清を利用する場合は安全性を確保するために牧場まで遡って管理する必要があるようで、培養コストを押し上げていた。新培養法はこれらの培養コストを削減でき、またBSEといった動物が持つ病原体にiPS細胞が汚染されるリスクが大幅に減る。 新手法で培養したiPS細胞はヒトへの細胞移植だけでなく、創薬や毒性試験・疾患モデルなどでも有効利用されることが期待される。
iPS細胞培養法 材料 必要な成分
従来培養法 足場 マウス由来の細胞
培養液 ウシ・ブタ由来の血清
新培養法 足場 ヒトのタンパク質
培養液 アミノ酸や人工タンパク質