東レは今後3年で1千億円超を投じ、炭素繊維事業を強化する。3年で最も大きいのは航空機向けの米サウスカロライナ州での工場新設とその後の拡張で、投資額は500億円前後とされる。米国では高機能な炭素繊維の糸そのものを製造・販売する現地法人と加工部材を製造・販売する現地法人を4月に統合し、カリフォルニア州とミズーリ州に営業拠点を新設することも決定した。カリフォルニア州では電気自動車や航空・宇宙分野の開拓も進めるという。米国ではアラバマ、ワシントン、テキサスの3つの州に製造や販売の拠点があったが、今後3年で拠点を構えるのは6州に増える。メキシコでは約100億円を投じ、発電用風車向けに低価格の炭素繊維の能力増強も決めた。2017年末の稼働を予定しており、能力を2倍の1万トン強に引き上げる。

東レ 炭素繊維事業に3年で1000億円投資

投資内容
米国 ・米サウスカロライナ州で工場新設・拡張(投資額500億円)
・カリフォルニア州とミズーリ州に営業拠点新設
・カリフォルニア州で電気自動車や航空・宇宙分野開拓
メキシコ ・100億円で低価格炭素繊維の能力増強(生産能力2倍へ)