大阪大学の澤芳樹教授らは2016年3月5日、心筋の働きが悪くなって血液を送り出すポンプ機能が次第に低下する「拡張型心筋症」の子供を治療する臨床試験を始めたと発表。治験では、患者のふくらはぎの細胞から作ったシートを心臓に移植し、シートから出るたんぱく質が心筋の機能を回復させる。この治療法は大人では保険が適用されており、子供でも保険が使えるようにするのが狙い。3年以内に19歳未満の3人で実施し、安全性や治療効果を確かめ、2020年ごろの実用化を目指すという。

テルモは当技術を基にした大人の虚血性心筋症の治療用に心臓シートの製造販売の承認を受けている。医師主導治験が終了後、適用拡大を国に申請する予定。