建設業界にコストを削減にロボットを活用する動き。地盤調査や構造物の損傷点検を行う技術者の不足しており、ロボット導入による自動化で対応する。

大林組は建設資材を目的の場所に運ぶことができる資材搬送ロボットを導入。インフラ整備やビル建設に必要なボーリング調査で、サンプル土壌を採取するパイプを入れるロボットを開発した。清水建設はトンネルの内壁を走りながらカメラで撮影し、ひびの大きさを解析するロボットを開発。五洋建設はダムの水中でひび割れを調べる無人検査機を作製した。


建設業界のロボット活用策

コード 企業 ロボット 開発・導入
1802 大林組 ボーリング調査でサンプル土壌を採取 2015年度
資材搬送ロボット 2013年
マンションの外壁面の検査 2011年
1803 清水建設 トンネル内のひびを画像解析 2017年
1893 五洋建設 ダムの水中でひび割れを調査 数年内

 

【大林組】
 インフラ整備やビル建設に必要なボーリング調査で、サンプル土壌を採取するパイプを入れるロボットを開発した。現在は地盤調査の技術を持つ人材が現場で調査し、パイプを入れているが、ロボットはセンサーで地盤状況を随時把握し、掘り進む速度を自動調整する。作業員は離れた所からカメラで作業状況を監視し、ロボットは無人で運行する。2015年度にも導入を計画。作業員を半分に減らし、コストの30%削減を目指す。

大林組は2011年にマンションのバルコニー部を垂直移動して外壁面の検査が可能なロボット「スカイクライマー」を開発。2013年には虎ノ門ヒルズの建設現場に資材搬送ロボットを導入。作業員がタッチパネル経由で作業を指示するだけで、建設資材を目的の場所に自動的に運ぶことができる。

【清水建設】
トンネルの内壁を走りながらカメラで撮影し、ひびの大きさを画像解析するロボットを開発。目視では1キロメートルあたり作業員4人で20時間かかるが、3人で1時間に短縮されるという。2017年の実用化を目指す。

【五洋建設】
ダムの水中でひび割れを調べる無人検査機を作製。潜水士に頼る作業を、無人探査機に切り替え作業費を削減する。2014年度内にダムで検証作業を開始。数年内の実用化を目指す。