ロシアはウクライナが過去のガス代金を支払っていないとし、2014年6月にウクライナへのガス供給を停止した問題で、ロシアとウクライナ、欧州連合(EU)は、2014年10月21日、3者協議を開催した。ウクライナがガス代金の未払い金として31億ドル(約3400億円)を年末までに支払うことを条件に、今冬に天然ガス1000立方メートルあたり385ドルで供給することで合意した。一方で、ロシアはウクライナのガス代金支払い能力に懸念を示したことから、ガスの供給量は固まらなかった。10月29日に改めて3者協議を実施する。

EUはウクライナが未払いのガス代金を31億ドル(約3400億円)支払うことを条件に、ロシアが今冬に少なくとも50億立方メートルのガスを1000立方メートルあたり385ドルで供給するとの打開策を提示していた。一方、EU加盟国がロシアからのパイプラインで輸入した天然ガスをウクライナに再輸出している問題が浮上。ロシアは契約違反と主張し、ポーランドやスロバキアへのガス供給を大幅に減らすという対抗措置をとった。

ウクライナでは暖房需要が増加する中、燃料不足に直面する懸念が浮上。EUはロシア産ガスの約半分をウクライナ経由のパイプラインで購入しており、ウクライナのガス在庫が減ると、EUの一部で燃料不足に陥る可能性がある。

なお、EUはロシアとの緊張が長期化するとみて、天然ガスの脱ロシアを急いでいる。


ロシアのガス供給問題

3者協議 EU打開策 合意内容
ガス代金支払い 31億円 31億円
1000立方メートルあたりの価格 385ドル 385ドル
供給量 50億立方メートル