欧米の制裁によって容易に資金調達できなくなった企業がロシア政府に資金支援を要請している。

ロシア国営会社ロスネフチは原油収入を積み立てた国民福祉基金(総額860億ドル)を活用し、ロスネフチが発行する約420億ドル(約4兆3000億円)規模の社債を購入するよう政府に求めた。ロスネフチは2014年末までに120億ドル、2015年度に170億ドルの返済があるもよう。中国からの資金調達が可能なため、すぐに債務返済が滞るリスクは大きくないとみられる。一方、新規事業として北極海大陸棚の開発に必要な資金や技術は制裁で断たれ、複数の事業を延期する考えを示している。

ドボルコビッチ副首相は、2014年8月14日、2週間以内に支援の可否を回答する考え。国民福祉基金の大半はすでに大規模インフラ事業などへの支出が決まっており、新たに巨額の資金を捻出するのは困難とみられている。

また、ロシア農業銀行は28億ドル(約2900億円)、対外経済銀行は14~17億ドルを要請。国営ガス会社ガスプロムは2014年4-6月期に赤字を計上。ウクライナのガス未払い金の増加や欧州へのガス輸出の減少が影響している。


ロシア企業 ロシア政府への支援要請額

企業 金額
ロスネフチ 420億ドル
ロシア農業銀行 28億ドル
対外経済銀行 17億ドル