塩野義製薬は、インフルエンザを1日で治療できる新薬を国内で実用化する。厚生労働省は画期的な新薬の早期実用化を促す「先駆け審査指定制度」に指定。2018年の販売を目指す。

「タミフル」など従来のインフルエンザ治療薬は、ウイルスの増殖を止める効果はない。一方、塩野義製薬の新薬は、喉や鼻から人体に入ったウイルスが増殖するときに使う酸素の動きを邪魔する。ウイルスの増殖を抑えて死滅させる効果があるという。

塩野義製薬は健康な人に投与し、安全性を確認する初期段階の臨床試験を国内で実施。インフルエンザ患者が増える11月以降に数百人規模の患者を対象に第2段階の治験を始める。


塩野義製薬 インフル新薬を実用化へ

項目 内容
インフルエンザ新薬 S-033188
効果 インフルエンザウイルスの増殖を抑え死滅させる効果
販売 2018年


先駆け審査指定制度

 一定の要件を満たす画期的な新薬で、開発の比較的早期の段階から対象品目に指定し、薬事承認に係る相談や審査における優先的な取り扱いの対象とする制度。審査機関を6ヶ月まで短縮することを目指している。対象となる新薬は原則として既承認薬とは異なる作用機序により、生命に重大な影響がある重篤な疾患などに対して、極めて高い有効性が期待される医薬品を対象とする。


【先駆け審査指定制度で指定を受けた医薬品一覧】

コード 企業 効能・効果
4516 日本新薬 デュシェンヌ型筋ジストロフィー
4507 塩野義製薬 A型又はB型インフルエンザウイルス感染症
4503 アステラス製薬 FLT遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病
- ノーベルファーマ 結節性硬化症に伴う血管繊維腫
- IDA 血管性浮腫の発作の管理
- MSD 治癒切除不能な進行・再発の胃がん