JX日鉱日石エネルギーは、燃料電池車向け水素事業に関する戦略を策定する専任組織を新設するようだ。水素の製造から輸送、販売までを一元的に推進し、車に水素を供給する水素ステーションの整備に加えて、製油所での水素製造基地の設置、配送網など事業戦略を策定するとしている。

石油会社などは水素ステーションを2015年までに全国で100ヶ所設置することを目標としている。JXエネは40ヶ所に設置する予定で、2013年度は首都圏、中京圏を中心に10ヶ所設置する。 水素ステーション建設には高コストという課題がある。ガソリンスタンドの建設コストは7000万円から1億円だが、水素ステーションは5億円から6億円かかるといわれている。水素は石油製品の精製過程で副産物として発生。高純度化すると燃料電池車向けの水素として供給できるようになる。精製した水素は爆発しやすいことから高圧で運搬できるトレーラー、水素ステーションには貯蔵施設など専用設備が必要となり、水素の製造から輸送、販売までを一元的に推進し低コスト化に取り組む。 燃料電池車関連市場は製造設備や1万ヶ所の水素ステーション整備で、将来的に10兆円に達する可能性があると試算されている。