JX日鉱日石エネルギーは、燃料電池車に使われる水素の純度を高める装置を開発した。パラジウムを使った水素だけを通す分離膜と二酸化炭素を吸着して取り除く分離膜を組み合わせたもので、従来の水素回収率70%から90%に向上、製造原価も約10%抑制できる。9月から実証実験を行い、2016年度以降に実用化する見通し。

JXエネは現在、首都圏と中京圏でガソリンスタンドと併設した水素ステーション開設に取り組んでおり、2015年度までに40ヶ所を設置する予定。2010年代半ばには製油所で石油を精製する工程から水素を製造する設備を建設し稼動を目指している。また、JXエネは水素の製造から輸送、販売までを一元的に推進する専任組織を新設。車に水素を供給する水素ステーションの整備に加えて、製油所での水素製造基地の設置、配送網などの事業戦略を策定する。