ヘリオス(旧日本網膜研究所)は、2011年2月24日に設立された理化学研究所認定のベンチャー企業。山中伸也・京都大学教授が開発したiPS細胞の特許を管理するiPSアカデミアジャパンとの間で特許使用のライセンス契約。理化学研究所と共同でiPS細胞を使い、失われた目の黄斑を再生する治療用細胞シートの開発を進めている。

ヘリオスは理化学研究所から独占的に細胞を開発する権利を保有。理研が2014年夏にも実施する臨床研究の結果を受けて、ヘリオスと大日本住友製薬の共同出資会社で治験を実施。その後に細胞の作製製造販売商品を厚生労働省に申請する計画。2018年の承認を目指す。

また、ヘリオスはiPS細胞による加齢黄斑変性の治療法開発を端緒として、視細胞、網膜再生薬、検査法開発などを目指すとしている。これらの新たな開発対象の実験は、加齢黄斑変性の患者向け細胞シートが実用化されてから開始。実用化のめどは2015年から2016年頃の見通し。 さらに、欧米での事業化に向けた資金を調達するため、株式上場を検討しているもよう。欧米での治験には500億円程度の資金が必要といわれており、加齢黄斑変性の治療細胞シート実用化の2015年から2016年頃に検討しているようだ。

 

 


ヘリオス(旧日本網膜研究所)の主要株主

コード 企業 出資額 内容
4506 大日本住友製薬 15億円 網膜疾患を適応症としたiPS細胞技術の実用化に関する国内外における連携に向けて独占的に協議
2395 新日本科学 3億円 網膜疾患を適応症としたiPS細胞の早期臨床応用・実用化を支援
2191 テラ 1億円 協働関係を通じて最先端医療の発展に貢献
7731 ニコン 5億円 光学・画像技術を提供し、iPS細胞を網膜細胞に製造する過程での安全性や品質向上を支援。網膜色素上皮細胞の製造工程管理に関して独占的に協議


【大日本住友製薬】
iPS細胞のヘリオスと大日本住友製薬は、2013年12月2日、加齢黄斑変性などの眼疾患を対象としたiPS細胞由来の網膜色素上皮細胞(RPE細胞)を用いた国内での共同開発契約を締結したと発表した。 大日本住友製薬が最大52億円の開発資金を提供し、国内におけるiPS細胞由来のRPE細胞による細胞医薬品の共同開発を行い、ヘリオスが製造販売承認の取得・販売を行う。2014年2月をめどに合弁会社を設立する予定。 また、ヘリオスが保有する眼疾患領域のiPS細胞由来のRPE細胞の大量培養を初めとする各種技術・ノウハウに関する実施許諾契約も締結した。大日本住友製薬は、ヘリオスの保有する技術・ノウハウを取得し、再生医療や再生医薬品分野の取組をさらに強化できるとしている。


【テラ】
2013年12月5日、iPS細胞を利用してがん細胞を攻撃する免疫療法である樹状細胞ワクチン療法を共同開発すると発表。患者の血液を採取せず、がん細胞を攻撃する細胞を作り出すことを目指す。

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