英国のメイ首相とEUのユンケル欧州委員長は、2019年3月11日、英国のEU離脱問題に関して、アイルランド国境問題の見直しに向けた2つの共同文書で合意した。

メイ英政権とEUは、2018年11月、厳格なアイルランド国境管理の復活を防ぐための安全策として、国境管理の回避策が見つかるまで、英国全土を関税同盟に残す規定を盛り込んだ。だが、英議会は「EUルールに縛られ続ける」とし、2019年1月に否決されていた。2019年3月11日に合意した共同文書では、EUが英国を永続的に安全策に拘束し続けないとする方針を確認した。英・EUで安全策を巡り争いが生じた場合には、独立した第三者の仲裁機関で紛争を処理することも盛り込んだ。安全策を発動させないため、2020年12月までに国境管理の回避策を見つけられるよう、英・EU双方が努力することも明記した。