5Gの商業利用区域が全国へ広がる。5Gの国際規格の概要が2017年末にも固まる。機器の開発には約1年かかるとされ、各社は2019年度にも設備投資を始める考え。全国の基地局部品やサーバー、専用システムなどを5G向けに整備する。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社の総投資額は5兆円規模に達するとみられる。

携帯大手3社は2020年に5Gの利用を一部で開始。NTTドコモは3年以内に全国の主要地域に展開。2019年から5G向け大型投資を開始。2023年度にも全国展開する見通し。

5Gは2026年に63兆円の市場になるといわれ、世界各国で開発競争が加速している。


5G 通信網構築の動き

5G 予定
国際規格概要 2017年末
設備投資開始 2019年
5Gの利用を一部で開始 2020年
全国展開 2023年


国際規格を統一へ

5Gで日本と米国、欧州、中国、韓国が通信規格を統一する。民間企業による会合で2019年に技術的な国際標準を決定。国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU)で2020年をめどに制度としてまとめる見通し。技術の使用が世界的に統一されれば、携帯機器や基地局はそれぞれの地域に合わせて部品を替える必要がなく、製造コストを抑えられる。利用者にとってもメリットとなる。

項目
技術的な国際標準を決定 2019年
制度としてまとめ 2020年


日本政府の行程表

 日本では総務省がメーカーに対して5Gに対応する機器の技術仕様を示す。2017年8月に行程表をまとめ。2018年夏に周波数帯を決め、2018年度中に5Gを導入する携帯事業者を最終決定する方針を示す見通し。

項目
行程表をまとめ 2017年8月
周波数帯を決定 2018年末夏
5Gを導入する携帯事業者を最終決定 2018年度中


大容量データ通信をささえる技術開発

政府は5Gの大容量のデータ通信をささえる技術開発に乗り出す。2020年代後半にはIoTや4K動画のやりとりなどが広がり、現在の1000倍以上の送受信能力が必要とされる。将来の膨大なデータ量のやりとりを可能にする通信技術の確立を急ぐ。

官民で超高速回線網に使われる光ファイバーの能力を高める研究や技術開発に着手する。総務省が所管する情報通信研究機構(NICT)が光ファイバーの基礎技術研究を進める。民間とも連携し、数年内に大容量のデータ送信技術にめどをつける。

全国的な設備更新となれば、設備費用が5兆円超になる可能性もあるという。

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