ニコンの精機事業におけるFPD装置事業が好調に推移している。精機事業のセグメント利益は2014年の83億円から2015年は146億円、2016年4-6月は145億円と2015年通年の利益を3ヶ月で達成した。

FPD装置事業は、スマートフォンやタブレット端末用の中小型高精細液晶パネルや有機ELパネルの製造に使われるFPD露光装置の開発・販売を行っており、世界トップシェアを持つ。FPD露光装置の販売台数は、2014年の34台から2015年は51台に増加、2016年は90台を計画しており大幅な販売増加となっている。中小型パネル用の設備を中心に、特に中国市場で大幅に増加。米アップルが2017年以降に発売するiPhoneに有機ELパネルの採用を決め、パネルメーカーによる生産ライン稼働への投資や量産計画などが動いており、好調に推移する見通し。

一方、ニコンはFPD露光装置市場は成熟市場であると認識。この増加基調が継続することは考えていないとしている。固定費の増加を抑制すると共に、確実に利益を生み出す開発に投資を行う方針。


ニコン 有機ELが収益押し上げ

【FPD露光装置の販売台数推移】

  2014年 2015年 2016年(予)
露光装置の販売台数 34台 51台 90台


【精機事業の業績推移】

  2014年 2015年 2016年4-6月
売上高 1711億円 1828億円 519億円
セグメント利益 83億円 146億円 145億円
利益率 4.8% 7.9% 27.9%


ニコンの業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2016年(予) 8400億円 490億円 300億円 - - -
2015年 8229億円 428億円 221億円 5410億円 9458億円 57%
2014年 8577億円 463億円 183億円 5722億円 9729億円 58.6%
2013年 9805億円 617億円 468億円 5468億円 9495億円 57.5%
2012年 1兆104億円 483億円 424億円 4902億円 8646億円 56.6%