水素社会実現に向けた国の動き。3つのフェーズで課題を解決し、水素社会の実現を目指す。

経済産業省は商業用水素発電所の実現に向けて企業を支援。2014年~2015年中に水素ステーションの規制緩和を行い、水素ステーションの整備促進を目指す。

 

ロードマップ

経済産業省が2014年6月に公表した水素・燃料電池戦略のロードマップ。3つのフェーズで課題を解決し、水素社会の実現を目指す。

「利用」段階では、定置用燃料電池と燃料電池自動車の普及拡大を進め、水素発電などへの利活用分野を拡大する。「輸送・貯蔵」段階では、2020年後半までに海外資源の活動による安価な水素価格を実現。水素を含む新たな2次エネルギー構造の確立を図る。「製造」段階では、2040年頃までに再生可能エネルギー由来の水素などを活用したトータルで二酸化炭素フリーな水素供給システムを確立する。

フェーズ 内容
利用 燃料電池と燃料電池車の普及拡大
輸送・貯蔵 2020年後半までに安価な水素価格を実現
製造 2040年頃までにCO2フリーな水素供給システムを確立


国の動き

【企業への支援】
経済産業省は商業用水素発電所の実現に向けて支援。水素の海外調達などの取組にかかる費用の3分の2まで補助する制度を創設。2015年度予算に20億円を盛り込む。水素の実証設備や安全規制などの整備を進め、2030年以降に水素発電による電気が家庭に届く環境を整える。

項目 内容
支援 水素の海外調達などの取組にかかる費用の3分の2まで補助
2015年度に20億円の予算


【水素ステーションの規制緩和】
政府は2014~2015年度中に水素ステーションの規制を緩和。タンクへの水素貯蔵量を燃料電池車7台分から上限を撤廃。安全規制を満たす土地を確保しやすくするため、水素の充塡機と公道の距離を8メートル以上から4メートル以上に縮小。太陽電池で発電した電力で、水から水素を作り充塡する簡易版ステーションの建設を許可する。

政府は水素ステーションを2015年度中に全国100ヶ所の整備を目指す。また、1ヶ所あたり4~5億円の水素ステーション建設費を、2020年頃に2億円と半減を目指す。

項目 内容
タンク 燃料電池車7台分→上限撤廃
充塡機と公道の距離 8メートル以上→4メートル以上
簡易版ステーション 太陽電池で発電し、水素を作製