岩谷産業は2015年中に計20ヶ所の水素ステーションを建設する計画。2013年5月に東邦ガスと愛知県に、2014年7月に兵庫県に水素ステーションを設置。2015年3月には東京都心にも完成する。パッケージ型の機器による水素ステーションの省スペース化や短工期化でのコスト低減、大容量・直充填技術の評価なども行っている。

また、40億円を投じて水素などのガス研究所を建設。超低温の液化水素を安全に輸送・貯蔵したりする技術や水素を効率的に圧縮する技術研究を行う体制を整備する。

独リンデは岩谷産業と合弁で水素充塡システムを日本で生産。液化水素を専用装置で気体に戻し、高圧にして自動車に供給する現在の仕組みを、専用ポンプだけで可能にする仕組みを目指す。岩谷産業は海外のポンプを日本で設置できるよう高圧保安協会と調整。2015年にも生産に着手する計画。


岩谷産業の水素ステーション開発計画

計画
2015年 20ヶ所の水素ステーションを建設
海外製ポンプの生産着手

【移動式水素ステーション】
岩谷産業と太陽日酸、豊田通商は、3社共同出資で移動式水素ステーションの運営会社を設立。2015年3月下旬をめどに営業開始。東京都に1ヶ所、愛知県に2ヶ所開設する予定。

燃料電池車(FCV)の需要が見込まれる一方で、水素ステーションの運用場所不足が懸念される時期において、水素を供給する運用場所を確保する。豊田通商は事業運用管理を、岩谷産業と太陽日酸は水素供給設備の整備、新会社への水素供給、現場管理を行う。設備調達にかかる資金は三井住友ファイナンス&リースのリースを活用する予定。

移動式水素ステーションの価格は1台2~3億円で、定置型ステーションの半分で済むという。2016~2017年をめどに移動式水素ステーションの価格を1台1億円台に引き下げ、2025年までに300台を供給する計画。

  目標
価格 1台1億円台
供給 2025年までに300台


燃料電池車向け水素を増産

燃料電池車向け水素生産で1日あたり生産量80%増を目指す。2018年までに神奈川県に新工場を建設。既存の千葉県と山口県の工場で設備を増設する。投資額は最大120億円。

山口県の工場には約40億円投資し、製造能力を2倍に増強。増設ラインの稼動は2017年11月。

計画 投資対象 投資額 稼動
総投資額 120億円 神奈川に新工場   2018年
目標 水素生産で1日あたり生産量80%増 山口工場 40億円 2017年11月


業績推移 

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 7000億円 210億円 110億円 - - -
2014年 6919億円 127億円 61億円 1179億円 4088億円 26.7%
2013年 7039億円 192億円 104億円 1050億円 4162億円 23.2%
2012年 6570億円 174億円 80億円 909億円 3863億円 21.5%
2011年 6611億円 195億円 105億円 795億円 3861億円 18.4%
2010年 6188億円 155億円 61億円 712億円 3739億円 16.9%

【産業ガス・機械事業】
※水素、水素ステーション設備、エアセパレートガス、ヘリウム、ガス供給設備、産業用ロボット、ポンプ、圧縮機、防災設備、高圧ガス容器、半導体製造装置、電子部品製造装置など

  2012年 2013年 2014年
売上高 1507億円 1595億円 1699億円
営業利益 39億円 48億円 63億円
営業利益率 2.6% 3% 3.7%


参考

・水素製造プラント3ヶ所保有。4ヶ所目の建設を検討中。
・将来的に、海外で製造した水素の大量調達を検討。

【燃料電池車向け水素需要】

項目 2025年
燃料電池車向け水素需要 24億立方メートル
水素ステーション数 700ヶ所
岩谷産業の水素販売数量目標 6億立方メートル