日本精線は、石油由来の溶媒から高効率に水素を取り出せる特殊ワイヤ材料を開発。2016年をめどに水素ステーションで実用化する見通し。

有機ハイドライドと呼ばれる石油由来の液体から水素を発生させる手順は、これまでの触媒では電導速度が遅いため、水素発生まで30分近くかかっていた。新材料では必要な高温状態まで数分で達することができるという。

現在の水素ステーションは液化水素を使うため、高圧で保管する必要があるが、有機ハイドライド方式では常温、常圧で保管ができる。


日本精線の水素関連製品ラインナップ

日本精線は高圧水素下で使用される燃料電池用ばね材や製油所での水素製造装置用の水素分離膜モジュールも開発済み。特に水素分離膜モジュールは、水素ステーションでの水素製造装置をターゲットとしているほか、製油所の水素精製装置の代替も考えられている。

製品 用途
特殊ワイヤ材料 石油由来の溶媒から高効率に水素を取り出し
燃料電池用ばね材 燃料電池自動車用ばね
水素分離膜モジュール 製油所の水素精製装置の代替


業績 

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 348億円 29億円 19億円 - - -
2014年 335億円 26億円 13億円 249億円 359億円 68.7%
2013年 309億円 22億円 14億円 236億円 340億円 68.8%
2012年 295億円 20億円 12億円 224億円 314億円 70.5%
2011年 328億円 30億円 17億円 212億円 314億円 67.1%
2010年 328億円 35億円 20億円 198億円 321億円 61.2%