ジェイテックコーポレーションは、大阪大学・理化学研究所の研究成果の実用化に成功した放射光用X線ミラーなどの開発・製造・販売を行うオプティカル事業。独自の細胞培養技術をもとに商品開発してきた各種自動細胞培養装置などの開発・販売を行うライフサイエンス・機器開発事業を展開している。

放射光用X線ミラーは、生命化学、物質科学、医学等広範囲な分野で基礎研究から応用研究、兵庫県のSPing-8に代表される大型放射光施設、SACLAのようなX線自由電子レーザー施設に導入されている。

自動細胞培養装置は、今後急速な需要拡大が期待される再生医療分野では、臨床研究向け3次元培養システムなどを開発。創薬分野では、スクリーニング自動化システムの開発などを推進している。iPS細胞の関連事業においても積極的に技術開発、製品開発を推進する。

ジェイテックコーポレーションの経営理念は「オンリーワンの技術で広く世界に貢献する」。


新規上場概要

項目 内容
上場予定日 2018年2月28日
1単元株式数 100株
主幹事 SMBC日興證券
公募・売出 100万株
オーバーアロットメント 15万株
仮条件決定 2018年2月9日
ブック・ビルディング期間 2018年2月13日~2018年2月19日
公開価格決定日 2018年2月20日


事業

 【オプティカル事業】
放射光用X線ミラーは、放射光X線をnmスケールまで絞ることが可能。分析精度が向上し、測定時間の短縮や極微小領域の分析などを実現する。顧客は主に国内外の国立の研究機関や大学の研究者などで、売上比率は大学が1.5%、企業が18%、公的研究機関が80.5%となっている。

放射光用X線ミラーは、カスタムメイドであり、これを使用する研究者の実験条件により、その都度形状設計が必要となる。ジェイテックコーポレーションは、長年、大阪大学、理化学研究所、高輝度光科学研究センターと共同研究そ推進し、その研究を通じてX線ミラーの設計のノウハウを習得。顧客である研究者に対して最適なX線ミラーの提案が可能となっており、海外の競合企業に対して差別化が図れているとしている。また、このナノ加工・計測技術を使って、放射光以外のX線光学素子用など他の産業(半導体、医療、宇宙分野など)への製品展開を図るため、他企業との共同研究を進めているとしている。


【ライフサイエンス・機器開発事業】
ジェイテックコーポレーションの自動細胞培養装置は、培地と呼ばれる細胞増殖に欠かせない栄養分を交換したり、細胞を培養したり、培地を保存したりする様々な機能をオールインワンにまとめた全自動化システムとなっている。顧客ごとに独自の操作手順を提案し、カスタムメイドで製造してきたが、最近では量産汎用タイプを目指し、iPSポータルとiPS細胞専用の自動細胞培養装置の開発に成功。産業技術総合研究所と浮遊培養の一種である独自の技術を用いた3次元培養装置をコアにした再生医療向け3次元細胞培養システムの研究開発を推進。再生医療や創薬への製品展開を図っている。

販売体制としては、直接販売のほか販売代理店を活用。認知度向上のため細胞培養に関わる展示会や学会において積極的に機器の紹介や技術の紹介を実施。iPS関連や再生医療などの研究会、団体に積極的に参画している。売上比率は大学が32.4%、企業が65%、公的研究機関が2.6%となっている。


経営戦略

オプティカル事業では、現存する生産設備だけではこれ以上の需要の伸びに対応することが困難であることから、EEM装置とMSI及びRADSI計測装置などの生産設備の増強を積極的に進め、海外競合他社に対する技術的地位を維持するため、ナノ加工技術の効率化を図るための研究開発を推進する。また、世界各地の放射光施設では光源の強化が図られ、そのバージョンアップに対応するための新しい光学系の構築が求められていることから、回転楕円ミラーや形状可変ミラー等次世代放射光向けの新製品の開発を推進。半導体や宇宙ビジネスなど他の産業分野への展開を図れる技術的ポテンシャルも持っていることから、放射光施設分野以外への市場開拓、多角化を進める。

ライフサイエンス・機器開発事業では、再生医療の拡大に伴い、自動細胞培養装置、培養容器、再生医療・創薬用の各種細胞ソースなどの市場も拡大すると予想。市場拡大に備えるため、優秀な技術者の確保や生産体制の強化、保守サービスの構築を進めるとしている。


ジェイテックコーポレーションの業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2018年(7-9月) 3.6億円 1.7億円 1億円 6.9億円 11億円 58%
2017年 8億円 1.9億円 1.2億円 5.8億円 11億円 52.1%
2016年 5.9億円 1.2億円 0.8億円 4.5億円 10億円 43.1%
2015年 3.6億円 0.5億円 0.3億円 2.5億円 8.2億円 30.5%
2014年 3.6億円 0.8億円 0.5億円 2億円 5.8億円 34.9%