トランプ米大統領は、2017年12月6日、エルサレムをイスラエルの首都として認め、米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転する手続きを開始すると宣言した。

イスラエルはエルサレムを「永遠の首都」、パレスチナは東エルサレムを将来の独立国家の「首都」としている。また、東エルサレムは1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領した経緯みおあり、アラブ諸国や国際社会はイスラエルの主張を認めていないことから、各国はテルアビブに大使館を置いている。

米議会は、1995年にイスラエルの米大使館移転を求める法律を制定。歴代大統領は「安全保障上の問題」として、執行を大統領令で延期してきた。

大使館の移転は「エルサレムの帰属は和平交渉で決める」という従来の米方針や国際合意を根底から覆すことにつながる。アラブ諸国の反発は必至で、中断している中東和平交渉の再開がさらに遠のき、地域を不安定にする懸念がある。