そーせい　英ヘプタレスへの大型投資推移 2017/07/14

そーせいグループは、2015年2月21日、英ヘプタレス社の全株式を取得したと発表した。取得額は約220億円。取得日は2015年2月20日。資金はみずほ銀行が200億円を融資する。また、ヘプタレスで将来発生するマイルストンまたはロイヤリティ収入の額に応じて支払う対価として最大約260億円が発生する見通し。

ヘプタレスはGPCRと呼ばれる細胞間の情報伝達に関わるタンパク質に作用する薬剤を創出する独自の技術を持つバイオ企業。アルツハイマー型認知症や糖尿病などに需要が見込まれる。

そーせいは2026年に現在の主力のCOPD治療薬の特許切れを迎えることから、ヘプタレスのパイプラインが2026年以降の収益の柱になることを期待するとしている。

主な開発状況

【アルツハイマー病　統合失調症】
2016年4月、アラガンとヘプタレスが開発したアルツハイマー病等の中枢神経系疾患の治療に向けたムスカリン受容体サブタイプ選択的作動薬化合物群の開発及び販売に向け、提携。上市に至った際には最大約6.65億ドル(約751億円)の開発マイルストンと販売に関連したマイルストンとして最大25.75億ドル(約2909億円)を受領する。また、売上高に応じて最大2桁比率の段階的ロイヤリティを受領する。

【がん免疫療法】
2015年8月、アストラゼネカと複数のがん種を標的とするがん免疫療法の開発で、グローバルな提携契約を締結。2016年6月に第Ⅰ相臨床試験を開始。2017年4月に前臨床試験で抗PD-L1阻害剤との併用効果を確認。今後開発が進められると、5億ドル(約565億円)の開発及び販売マイルストンと販売高に応じた最大2桁比率の段階的ロイヤリティを受領する。

英ヘプタレスへの大型投資

【ヘプタレス】

【増資】
2015年9月1日、公募増資などで約127億円を調達すると発表。2015年9月9日、発行価格が1株3647円に決定し、約86億円を調達した。調達資金は全額をヘプタレス社の株式取得で借り入れた200億円の返済に充当する。

慢性閉鎖性肺疾患(COPD)治療薬

慢性閉鎖性肺疾患(COPD)は、息切れを起こすことで体の機能や生活の質に悪影響を与え、病状が徐々に悪化する致死的な進行性疾患。全世界で約2億1000万人が罹患しており、2020年までに全世界で死亡原因の3位になることが予想されている。

2005年4月、そーせいがノバルティス社に全世界の独占的開発・販売権を導出したCOPD治療薬「シーブリ」と「ウルティブロ」が欧州と日本で発売開始。2014年9月にはノバルティスがファイザーと英国で独占販売権を締結した。英国のCOPD患者数は世界第2位の300万人とみられている。また、2015年10月に米国で承認を取得。2016年1-3月に発売を開始する。米国では2700万人が罹患し、死因の第3位となっている。2014年度中に中国でも販売承認申請。

【慢性閉鎖性肺疾患(COPD)】

【「シーブリ」「ウルティブロ」】

そーせいの業績推移