伊藤忠商事グループは14年に米国で軽油の代替となる次世代型バイオディーゼル燃料(BDF)の生産を開始する。大豆など食用穀物を使わずに従来より3割安く生産し、米石油メジャーに販売する。 次世代バイオディーゼル燃料(BDF)は、一般的に大豆や菜種など植物由来の油からつくられ、軽油に混ぜてディーゼル車に使う。食物は成長過程で二酸化炭素を吸収しているため、燃焼時に二酸化炭素がでても純増にはならず、化石燃料に比べ環境負荷を抑えられる。 しかしながら、現在の原料は大半が食用大豆油。相場が変動しやすく割高であると共に、燃料生産を増やすと穀物相場の高騰を招くという問題があることから安定供給が難しい。 伊藤忠などは、ガソリンの代替となるバイオエタノールをトウモロコシからつくる際にできる副産物を原料に使う。従来品より3割安く生産できるという。副産物は飼料にしたり破棄されていた。 伊藤忠と子会社伊藤忠エネクスは米石油・化学品大手フリントヒルズ・リソーシズ、バイオ燃料開発ベンチャーのベネフエルと合弁会社を設立。伊藤忠の出資比率は15%程度。 年19万キロリットルの量産から開始する。これは米国のBDF生産量の5%に相当する。15年には250億円の売上を目指すとしている。