アジア開発銀行(ADB)が、太陽光や風力発電など再生可能エネルギー開発への支援を加速している。2012年の投融資額は23億ドル(約2300億円)と過去最高を更新し、全体の投融資額の約1割に達した。 ADBの予測ではアジアが年に6%のペースで経済成長を続けると、2035年までに世界の国内総生産の44%を占める。成長に伴って電力消費も増え、2010年に世界の3分の1だった消費量は2035年までに56%に達する。 そのため、現在の火力に依存する発電の仕組みを変えなければ、CO2の排出量の増加、原油・天然ガスの消費量の増加につながり、石油ショックなどの外的要因に弱くなる可能性がある。

ADBの「クリーンエナジー向け投融資」は2003年以降の10年で10倍強に増えた。発電事業を担う政府向けだけでなく、民間企業などへの投融資にも力を入れており、2012年の23億ドルのうち民間向けは42%を占めた。 ADBは2010年と2012年に「クリーンエナジー債権」を日本の個人投資からに販売。起債額は6億ドル。調達した資金を発電などの事業向けに活用している。