カチタスは、戸建ての空き家を中心に買取、リフォームで再生して販売する中古住宅再生事業を展開している。経営理念は「未来への扉を。『家に価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。」。カチタスと子会社のリプライスの2社で構成。グループとして2017年3月期の4402件の物件を販売できるスケールメリットを活かしたリフォームを施し、付加価値の高い中古再生住宅を求めやすい価格で販売している。

カチタスは人口5万人から30万人規模の地方都市で築20年~築40年という築年数の古い戸建て住宅を中心に安価に取得した上で、リフォームを実施。中古住宅を魅力ある住宅に蘇らせて販売する。標準的なケースでは、物件を600万円で仕入れ。手数料で60万円、リフォーム費用で340万円を支払い。販売価格を1300万円に設定。粗利益300万円を確保できる想定としている。地方の新築物件の平均価格は2842万円であることから、手が届きやすい価格で販売している。

リプライスは人口30万人から50万人の3大都市圏の郊外や地方都市の中心部で築5年から築30年という比較的築年数の浅い中古住宅を取り扱う。全面リフォームでは無く、簡易的なリフォームを実施する。標準的なケースでは、物件を1200万円で仕入れ。手数料で70万円、リフォーム費用で160万円を支払い。販売価格を1730万円に設定。粗利益300万円を確保できる想定としている。


新規上場概要

項目 内容
上場予定日 2017年12月12日
1単元株式数 100株
主幹事 大和証券
公募・売出 2105万6300株
オーバーアロットメント 196万9000株
仮条件 1500円~1640円
ブック・ビルディング期間 2017年11月27日~2017年12月1日
公開価格 1640円


事業の流れ

 【仕入れ】
物件の仕入れは、住み替えや相続などを起因とする個人が所有する物件の買取を中心に行う。リフォーム協力会社及びシロアリ調査会社の三者による立ち会い検査を推奨。仕入れ後にリフォームを行う過程で想定外の追加工事が発生することを防止。建物の劣化に対する意見を伝えることで査定価格の公平性を保つ。これにより、在庫回転率が向上し、売上総利益率も上昇しているという。

また、物件に関する情報を分析する専門部署が物件情報を元に迅速に簡易査定。競合他社に比べて査定金額を早期に提示し、買取仕入の機会を増やしている。


【商品化】
仕入れた中古住宅を清潔で快適なリフォーム済み中古再生住宅とする。商品化コスト削減で売上総利益率を改善。資材コストでは、定期的な見直し。グループ全体での資材共通化で実現する大量発注で、市場価格よりも安い価格で調達する。施工コストでは、リフォーム協力会社に安定的かつ継続的に発注することで、顧客が個別に住宅リフォームを発注するよりも、安価な価格でリフォーム工事を発注する。


【販売】
全国に店舗を開設し事業展開を行っていることから、各地域において中古再生住宅を販売する。自社販売と仲介販売とがあるが、販売件数に対し73.9%は自社販売となっている。


カチタスの業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2017年(4-9月) 334億円 33億円 22億円 126億円 345億円 36.5%
2016年 618億円 48億円 34億円 113億円 320億円 35.1%
2015年 393億円 33億円 19億円 94億円 335億円 28.1%