フェニックスバイオは、マウスの肝臓の70%がヒトの肝細胞に置き換えられたマウス「PXBマウス」を用いた医薬候補物質の投与の受託試験サービスを提供。医薬品開発における創薬過程のうち、主に前臨床過程でサービスを展開している。また、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど、ヒトの肝細胞しか感染しないウイルスを研究するツールとなることが実証されており、抗ウイルス薬の開発にも利用されている。

医薬品業界では、膨大な開発負担が生じる新薬開発への投資効率を高めるため、M&Aによる業界再編の活発化や臨床試験などの開発業務を外部に委託するケースが増えており、フェニックスバイオがターゲットとしている前臨床試験でも需要が拡大傾向にあるという。

世界の製薬業界の総売上高の多くはメガファーマによって占められており、メガファーマは主要な研究開発拠点を米国に有している。フェニックスバイオは、PXBマウスの生産ノウハウを米国に移管し、2015年3月から本格的な供給を開始した。

フェニックスバイオの売上高は、約70%を抗B型肝炎ウイルス薬の薬効評価試験などが占める。今後、有力なB型肝炎ウイルス薬が上市されると、同領域の市場は収束すると予測している。フェニックスバイオは、薬物がヒトの体内に取り込まれてから体外に排出されるまでの体内動態に関する評価・解析や肝臓をはじめヒトの体内組織や細胞に与える毒性を評価・解析するDMPK/Tox領域での市場開拓を推進する。

新薬候補を多数所有する製薬会社自身が、PXBマウスの有用性について共に研究し、その成果を共有できる場として北米にコンソーシアムを設立。プロモーション活動を実施し、より大きな市場での販路拡大を目指す。


新規上場概要

項目 内容
上場予定日 2016年3月18日
1単元株式数 100株
主幹事 SMBC日興證券
公募・売出 41万株
オーバーアロットメント 6万1500株
仮条件決定 2016年3月2日
ブック・ビルディング期間 2016年3月3日~2016年3月9日
公開価格決定日 2016年3月10日


【調達資金使途】
新規上場で調達される資金は、米国でのPXBマウス事業のプロモーション活用や人員増強など、米国事業の拡大を目的とした投資に充当する。 


フェニックスバイオの業績推移

【連結】

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年 8.8億円 0.6億円 0.5億円 10億円 13億円 77.1%
2013年 11億円 0.5億円 1.2億円 9億円 13億円 68.2%


【提出会社】

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年 8.8億円 0.9億円 0.9億円 11億円 14億円 77.7%
2013年 11億円 0.6億円 1.4億円 9.1億円 13億円 68%
2012年 9.8億円 ▲0.5億円 ▲0.6億円 7.6億円 11億円 66.8%
2011年 7.9億円 ▲2.3億円 ▲2.4億円 3.3億円 11億円 30%
2010年 9.2億円 ▲1.2億円 ▲1.2億円 5.7億円 10億円 54.2%