ヒロセ通商は、インターネットを通じて外国為替証拠金取引やバイナリーオプション取引を提供している。主な収益源は顧客の取引による外国為替取引損益で、顧客の取扱高の増減に左右される。為替変動率が高い場合は顧客の取引高が増加。低い場合は減少する。


新規上場概要

項目 内容
上場予定日 2016年3月18日
1単元株式数 100株
主幹事 野村證券
公募・売出 110万株
オーバーアロットメント 16万5000株
仮条件決定 2016年3月1日
ブック・ビルディング期間 2016年3月2日~2016年3月8日
公開価格 830円


外国為替証拠金取引

顧客が証拠金を預託することで、預託した金額またはその数倍の金額の外貨を売買できる取引。銀行など金融機関20社以上と取引。取引先が提示する中で、最良のレートを顧客に配信している。


外国為替証拠金取引の収益構造

【カバー取引】
顧客からの売買注文による為替変動リスクを回避するため、デリバティブ取引や外国為替取引の相手方であるカウンターパーティからレートを取得。最良のレートを提示しているカウンターパーティと速やかに取引を実行するカバー取引を行っている。カバー取引では、顧客がヒロセ通商に注文した約定価格と、ヒロセ通商がカウンターパーティに注文した約定価格の差額が収益となる。


【為替マリー】
カバー取引を行っていない取引について、保有する同一通貨の買い注文、売り注文を社内で相殺させる為替マリーを行っている。為替マリーができたポジションは、ヒロセ通商が顧客に提示する売りレートと買いレートの差額全てが収益となる。


【スワップポイント】
低金利国の通貨で高金利の通貨を購入することで金利差が生まれ、保有しているだけで金利を得られる仕組み。ヒロセ通商と顧客との間で発生するスワップポイントと、ヒロセ通商とカウンターパーティとの間で発生するスワップポイントの差額が収益となる。


【カウンターパーティ】
ヒロセ通商と外国為替証拠金取引契約を締結している他の金融商品取引業者において、ヒロセ通商が契約先のカウンターパーティとなり、契約先の注文を受注することで、カバー取引、為替マリー、スワップポイントによる収益が発生する。


その他事業

【ホワイトラベルサービス】
ヒロセ通商が提供する外国為替証拠金取引システムの「LION FX」は、大容量の情報処理を可能とするサーバ製品を採用。その特徴を活かし、金融商品取引業者向けにカスタマイズを行い、ホワイトトラベルサービスを提供。ヒロセ通商が提携先のカウンターパーティとなり、注文を受注することで、カバー取引、為替マリー取引、スワップポイントによる収益が発生する。


【バイナリーオプション取引】
ある一定時刻の為替レートが予想レートより上昇するか下降するかを予想する商品。顧客の予想通りに動いた場合はヒロセ通商の損失に、顧客の予想に反して動いた場合はヒロセ通商の利益につながる為替変動リスクを伴っている。この為替変動リスクを回避するため、顧客の購入した同一通貨の上昇オプションと下降オプションを社内で相殺している。一定額以上の損失リスクが発生している場合は、スポット取引でカバーを行うことにより、為替変動リスクを回避している。


【海外事業】
海外の顧客をターゲットに、外国為替証拠金取引やバイナリーオプション取引を展開。金融商品取引業者をターゲットにホワイトラベルサービスを展開している。


経営戦略

営業収益の大部分を外国為替証拠金取引に依存していることから、外国為替市場の環境に影響を受ける可能性が高い。そのため、外国為替証拠金取引業者向けにホワイトラベルサービスの提供やカウンターパーティとしてカバー取引を行うなど、国内外の金融取引業者を対象とした取引にも取り組み。外国為替証拠金取引以外のサービス向上にも取り組む。また、アジア市場の開拓を進める。


ヒロセ通商の業績推移

【連結】

  営業収益 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年 49億円 4.8億円 1.9億円 29億円 386億円 7.7%
2013年 49億円 9億円 3.6億円 27億円 329億円 8.2%


【提出会社】

  営業収益 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年 42億円 5.8億円 2.2億円 26億円 347億円 7.7%
2013年 42億円 6.6億円 1.4億円 23億円 294億円 8.1%
2012年 41億円 4.9億円 1.2億円 22億円 236億円 9.5%
2011年 27億円 6.2億円 2.6億円 21億円 183億円 11.9%
2010年 19億円 2.3億円 1.2億円 19億円 114億円 16.8%