国内電機大手が海外テレビ事業を縮小へ。企業の主な動きやテレビ事業関連セグメントの業績推移をまとめ。
 

企業 内容 年月
パナソニック 中国での生産から撤退 15年2月
三洋電機の北米テレビ事業を売却 15年3月末
パナソニック液晶ディスプレイを99%減資 14年3月
シャープ 北米から撤退検討 -
欧州でブランド供与事業へ移行 15年1月
ソニー 分社化 14年7月
東芝 海外テレビ事業をブランド供与へ移行 15年3月
北米でブランド供与事業へ移行 15年3月


【パナソニック】
2015年2月2日、中国で年17万台を生産する液晶テレビの生産からの撤退を発表。価格が安い韓国や中国メーカーとの競争が激しく採算が見込めないと判断した。

大阪府茨木市の液晶パネル開発拠点を姫路工場と統合。姫路工場運営会社のパナソニック液晶ディスプレイを2014年3月末に99%減資。2013年3月末の資本金502億円、資本剰余金561億円から資本金5億円、資本剰余金0円にした。

2015年3月末に三洋電機の北米テレビ事業を船井電機に売却。船井電機に三洋ブランドのテレビ販売をする権利を譲渡し、ブランド使用料を徴収する体制に切り替える。


【シャープ】
北米でのテレビの生産設備などを中国家電大手・海信集団に売却し、生産から撤退する。売却に伴う特別損失を2015年度に96億円計上する。

欧州では液晶テレビ事業をスロバキアのUMC社にブランドを供与。欧州の範囲はイタリア、ロシア、イギリス、オランダ、フランスを除く地域。2015年1月1日から新体制での事業を開始する。


【ソニー】
2014年7月にテレビ事業を分社化。テレビ事業の営業利益は2011年度の▲1475億円、2012年度の▲696億円、2013年度の▲255億円と赤字圧縮。2014年度は4Kを軸に年間1600万台の販売を目指すことや新興国で地域ごとに市場ニーズに適した機種を企画・導入することで黒字化を目指す。


【東芝】
2015年3月から北米テレビ事業の自社開発・販売を終了し、台湾コンパル社に東芝ブランドを供与する。また、北米以外の海外テレビ事業もブランド供与への移行を検討。インドネシアではテレビ工場の売却に向けて交渉。エジプトの合弁生産も解消。海外では開発から生産、販売まですべて撤退する方針。2015年4月を目標に具体化する。


各企業のテレビ事業関連セグメントの業績推移

    2011年 2012年 2013年 2014年
パナソニック 売上高 1兆7135億円 1兆3739億円 1兆2193億円 1兆1543億円
営業利益 ▲678億円 199億円 204億円 518億円
シャープ 売上高 1兆610億円 7326億円 7333億円 6703億円
営業利益 ▲61億円 ▲98億円 128億円 30億円
ソニー 売上高 1兆2832億円 9948億円 1兆1686億円 1兆2073億円
営業利益 ▲2032億円 ▲843億円 ▲255億円 201億円
東芝 売上高 - 1兆2678億円 1兆3146億円 1兆1637億円
営業利益 - ▲704億円 ▲546億円 ▲1097億円

※パナソニック 液晶テレビ パソコン デジタルカメラ オーディオ機器など→14年から薄型テレビ、オーディオ機器、ビデオ機器、エアコン・冷蔵庫など家電等に変更
※シャープ 液晶カラーテレビ 携帯電話
※ソニー 液晶テレビ オーディオ ブルーレイレコーダーなど
※東芝 テレビ パソコン 白物家電など