神戸製鋼所は、2017年10月8日、アルミ製部材について強度など顧客が求める品質基準を満たしていなかったと発表した。2016年9月から2017年末までの強度や寸法などのデータを偽装していた。品質基準を改ざんしていたのは、アルミ製部材1万9300トン、銅製品2200トン、アルミ鍛造品1万9400個で、アルミ・銅事業の年間売上高の約4%を占める。過去10年に遡った調査でも一部改ざんが見つかった。管理職も含めて少なくとも数十人が関わっており、不正が組織ぐるみだったことも明らかになった。

供給先は三菱重工業など航空機関連メーカーやトヨタ自動車など約200社に及ぶ。防衛産業の関連製品に使われていたことも明らかになり、三菱重工業、川崎重工業、SUBARU、IHIの4社で使われている。

顧客が求める品質データ書き換えのため、法令や日本工業規格(JIS)違反では無いが、神戸製鋼所は安全性について顧客と検証し、部品取り換えなどに応じていく考え。改ざん度合いによって、自動車メーカーはリコールを迫られる可能性もある。今後部品交換などを余儀なくされれば、神戸製鋼が費用負担を求められるリスクが浮上する。

神戸製鋼所のアルミ・銅部門の経常利益は、グループ全体の25%を占める。

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